右サイドで奮闘した久保だが、ヘタフェ戦ではあまりプレーに絡めなかったのも事実。周囲との信頼&連携構築が望まれる。(C)Mutsu KAWAMORI

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 過去最長71分間のプレータイムを得たが、チームに勝利を呼び込めなかった。
 
 現地日曜日、ラ・リーガ1部の第5節が行なわれ、マジョルカは敵地でヘタフェと対戦。日本代表MF久保建英はこの日もベンチスタートとなったが、スタメンに怪我人が出て前半19分にスクランブル出場を果たした。4−1−4−1システムの右サイドで精力的に動き回ったが、周囲から効果的なボールを引き出せず、存在感を示せない時間帯が続く。70分に絶妙なピンポイントクロスでゴールをお膳立てし、ラ・リーガでの初アシストを記録したものの、チームは2−4で敗れ去った。
 
 開幕戦で白星スタートを切ったマジョルカながら、その後の4試合は1分け3敗。地元紙『Diario de Mallorca』は攻守にチグハグなチームを断罪したうえで、ヘタフェ戦における久保の出来については次のように論じた。
 
「地元ファンと日本報道陣の特大の期待を背負うクボは、前半の早い時間帯からピッチに投入された。だがブツ切れの試合展開のなかで流れに乗れず、いまだ問題を抱えているのは明らかだ。チームの消極的な攻撃もあってプレーに関与できず、登場からの45分間はほぼ消えていた。(右サイドバックの)ジョアン・サストレのほうがまだ危険な存在と思えたほどだ」
 
 と、かなり辛辣。とはいえもちろん、久保をのみ糾弾しているわけではない。「チーム全体の攻撃のバランスが良くない。クボの能力を引き出せていないことを含め、問題は山積みである」と評した。一方で久保の初アシストに関しては、「最後の15分間、反撃に転じる口火となったプレー。的確にターゲットを捉える完璧なクロスボールだった」と称えている。

 
 マジョルカは次節、ホームに強豪アトレティコ・マドリーを迎える。久保はチームメイトとの連携にさらなる磨きをかけ、初スタメンを飾り、アタッカー陣を牽引できるか。大一番に注目が集まる。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部