韓国戦に先発も1回でマウンドを降りた侍ジャパンU-18代表の大船渡・佐々木朗希(左)【写真:荒川祐史】

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試合前のブルペンで違和感も強行 1回の投球中に血豆の悪化が発覚

■韓国 5-4 日本(6日・機張)

 韓国・機張(きじゃん)で行われている「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(全試合テレビ朝日系列・BS朝日・AbemaTVで放送)は6日、スーパーラウンド2戦を迎え野球日本代表「侍ジャパン」高校代表は延長10回、4-5で韓国にサヨナラ負け。先発した佐々木朗希投手は右手中指のマメが悪化し、1回19球で緊急降板。「しっかり試合をつくれるように、ゼロに抑えようと思ってマウンドに上がりました。(試合に負けて)残念です」と無念さをにじませた。

 初回、2死一塁の場面。異変に気が付いた永田監督がマウンドに行った。ボールには血がついていた。前日の試合中に何度も投球練習をしたことで完治したと思われたマメが悪化。この日の試合前のブルペンで違和感があったが、誰にも言わずに試合に入った。指揮官はこのイニングを投げきる意思を確認し、ベンチに戻った。

 2回のマウンドには佐々木の姿はなかった。患部に絆創膏のようなものを貼り、ナインに声援を送った。「勝ちたかったので(降板後は)自分のできることをやりました」。申し訳ない思いを抱きながら、戦況を見つめていた。

 永田監督は「先発は昨日伝えました。すべては使った私の責任です」と佐々木を思いやった。今後の起用については「もう難しいと思います」と断言。佐々木の世界デビューは19球で幕を閉じることになった。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)