自虐的ながらも共感をもたれているマイクロソフトのプロモーション動画

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 4月から学生や新社会人になる人を対象に毎年3月、ノートPCの需要はピークになる。家電量販店の売り場も、新しく学生になると思われる親子連れの客を多く見かける。そんな中、マイクロソフトのノートPC「Surface」のプロモーションが、自虐的ともいえるキャッチコピーながら、YouTubeやTwitterなどで好感をもたれてる。

 「大学生活なんて、スマホがあれば大体上手くいく」「大学生に、ノートPCはいらない」――。PCのOSであるWindows 10の普及とともにSurfaceの製造・販売でPCベンダーの側面も持つ日本マイクロソフトのプロモーション動画は、「スマホで十分」と考える、いろいろなタイプの学生の登場からスタートする。

 スマホの目覚まし機能のスヌーズを繰り返しながら、朝は寝坊して友達に授業の代返を頼む「惰眠の王様」や、単位は取れればそれでいいという考えで、単位の計算だけは早い「楽単コレクター」、恋に恋する自分に酔ってサークル内の人間関係を荒らして周囲に迷惑をかける「ラブハンター」など、いかにも近くにいそうな学生たちが登場しながら、スマホ1台あれば、キャンパスライフは事足りるというメッセージを伝える。

 ほかにも、授業の時間割よりもバイトのシフトを優先して社員ばりにアルバイトに明け暮れる「バイトホリック」や、キャンプや合宿など遊びや打ち上げの企画を得意とする「遊びのプロデューサー」、ノートPCを使っても「Shift」と「C」「V」を繰り返す「コピペの匠」なども登場。ネット検索や旅行、SNS、バイト、レポートなど、全てスマホがあれば十分というわけだ。

 しかし、そんな登場人物たちの楽しいキャンパスライフに彩られた動画は、引きのアングルに変わる。そして、一人の映像ディレクターが、動画そのものをノートPCやタブレットを駆使して制作するのと一緒に、「その先の何かになるために大学に入ったはずだ」というキャッチコピーが流れる。

 学生生活の先にある社会人になって自分の夢をかなえたり、クリエイティブな想像力を高めたり、アイデアを形にしたりするときのパートナーとして、ノートPCやタブレットが登場するのだ。そして、この映像ディレクターが、現役大学生の清水良広氏というオチをつけながら、「大学生になることが、ゴールの人たちにとっては」スマホだけでもいいだろうが、ノートPCやタブレットを使って自分の能力やアイデアを形にして大学生の殻を破るのもいいのではないかと問題提起する。

 SNSなどのコメントには、「すごいコピーだね。なかなか尖っている」「これを動画の中の映像ディレクターである大学生が作ったなら天才すぎる」「なんかいいじゃん、これ!?」といった好感のコメントが寄せられている。

 マイクロソフトは「モダンPC」というコンセプトで、1kg以下の軽量ノートPCやSSD搭載の高速レスポンスのノートPCを推奨。就職活動で持ち歩いたり、その場ですぐに立ち上げて調べ物をしてレポートを作成したりすることを考えて、大学4年間で買い替えしなくても済むノートPCの販売を提案している。