私たちはこれまでに散々、LINEやデートのHow toを学んできた。

しかし、やっとの思いでLINEやデートに漕ぎ着けても、失敗の可能性は常につきまとうのだ。

あんなに盛り上がったはずなのに、突然の既読スルーに予期せぬ別れ。 恋人同士になれたかと思ったのに、いつまでたっても一進後退を繰り返す関係性。そんな経験、無いだろうか?

男女の関係を次に繋げる方法を学ぶため、あなたに宿題を出していこう。

さて、今週の宿題は?




英理奈は元々、友達の祐太郎が連れてきた女の子のうちの一人だった。

彼女は、僕が飲んでいる席に後からやって来た。綺麗な見た目と華やかなオーラに、思わず目が釘づけになる。

「こちら、僕の友人の仁です。英理奈ちゃん、仁の隣の席でもいい?」

そう祐太郎から紹介され、僕の隣に英理奈が座った。

「こんな時間からすみません。何時から飲んでいるんですか?」

近くで見ると更に英理奈は美しい。心の中で、僕はただただ祐太郎に感謝する。

「仕事終わってからだから、8時くらいだよ」

そんな当たり障りのない会話から始まったが、今日は金曜日。週末ということもあり、お酒も入りつつ、深夜まで皆で盛り上がった。

「英理奈ちゃん、また飲もうよ。番号教えて」
「もちろんです♡また飲みましょう!」

こうして僕たちは番号を交換した。そしてここから何度か会い、オトナの関係にまでなったのだ。

しかし、突然彼女の態度が豹変した。その理由が、未だに理解できずにいる。


知っておいて損はない。初夜に女が見ているポイントとは?


宿題1:初めての夜に、女は何を考えていたか答えよ


英理奈と知り合ってから、仲良くなるのにそう時間はかからなかった。

皆で飲んだ日の翌週末、先輩と六本木で飲んでいたら酔いが回り始め、ふと英理奈に会いたくなった。そこでダメ元で、彼女にLINEを送ったのだ。

-仁:今六本木で飲んでいるんだけど、どこか近くで飲んでいたりしないよね?


きっと、金曜の夜だし忙しいだろうなぁ。そう思っていたが、意外にも早く英理奈から返信がきた。

-英理奈: 私も今、乃木坂にいます!後で合流しますか(^^)?


まさかの好意的なメッセージに、思わずニヤける。

そして宣言通り、英理奈は後から合流してくれて、僕と先輩、英理奈とその友人という4名で飲むことになったのだった。

「忙しい中、急に呼び出してごめんね。来てくれてありがとう」

僕がそう言うと、英理奈は不意に僕の方を真っ直ぐ見つめ、そして顔をグイっと近づけて耳元で囁いてきた。

「仁さんからの連絡は、特別だから♡」

予想もしていなかった嬉しい発言に、僕は柄にもなくドキドキしてしまう。

妙に色っぽい英理奈は、まさに男ウケ抜群のタイプだ。そんな彼女に、早くもすっかりハマっていた。

その日以来、会っていない時でも積極的に英理奈へLINEを送った。たわいもない会話でいいから、少しでも距離を縮めたかったのだ。

結局その後も、何度か知り合い達と一緒に飲むことが続き、ようやく二人きりのデートに漕ぎ付けられたのは、出会ってから約一ヶ月後のことだった。




「英理奈ちゃんって、今彼氏いるの?」

気合を入れて予約した『アズール エ マサウエキ』で 、あくまでも平静を装って聞いてみる。

いつも集団でいたため、これまでなかなか突っ込んだ質問ができずにいたのだ。

「半年前に別れて以来、彼氏はいないよ〜。仁さんは?」

僕も数ヶ月前に別れたばかりで、現在彼女はいない。何ともタイミングの良い出会いに、一人で舞い上がる。

「そうなんだ!でも英理奈ちゃん、モテそうだからなぁ」
「そう?仁さんの方こそモテそうだけど」

初めて二人きりで過ごすデートのはずなのに、お互い自然体だった。一緒にいるのがとても楽しいと思っているのは自分だけなのだろうか。

待ち合わせしたのは19時だったのに、楽しくて、気がつけば、2軒目を後にした時にはもう深夜12時を回っていた。

「なんか酔っぱらってきちゃったなぁ〜仁さんは?」

2軒目の店を出た途端に、急に英理奈が送ってきたサイン。それを僕は見逃さなかった。

「僕も。そしたら…うち来る?」

断られるかもしれない。そう覚悟の上だった。しかしなんと英理奈は、すんなり我が家へ来てくれたのだ。

そうして、僕たちは初めて結ばれた。

-あれ?意外に良い感じに進んでいるじゃん…

隣で眠る英理奈を見つめながら、幸せに浸っていた。

しかし、そう思っていたのは自分だけだったのかもしれない。

英理奈は、この時僕とは違うことを考えていたようなのだ。


この前後の女の心理がわかりますか?


宿題2:2回目のデートの夜、英理奈が冷めた原因を答えよ


-英理奈:昨日はありがとう。お邪魔しました。


翌日、早朝にうちを出た英理奈から連絡が来たのは、その日のお昼頃だった。自分から連絡すべきか悩んでいたが、LINEが来たのですぐに返信をする。

-仁:こちらこそ!また飲もうね。


そこからまた暫くやり取りは続き、2回目のデートの日もすぐにやってきた。

「今週は忙しかった?」
「うん、ちょっと大きなプレゼンがあったから準備に追われていて。英理奈は?」

ごくごくありふれた普通の会話だ。

正式に交際もしていないうちから体の関係を持ってしまったことを、後悔していないと言えば嘘になる。

だが英理奈の変わらぬ態度にホッと胸を撫で下ろした。どうやら、向こうは気にしていないようだ。




毎回こうやって軽い感じだと思われるのも嫌だったし、 この先どう進むのか、僕にもよく分かっていなかった。

男と女では、体の関係を持つことに対する意味が違い、傷つくのはいつも女性だとよく耳にする。簡単に契りを結んでしまったことに関して、僕もただの遊び人の男だと誤解されるのは、嫌だった。

だがそれを明確に口にするのは憚られ、お互いにその話題には触れず、自然な会話を続けていたのだ。

食事が終わり、タクシーに一緒に乗り込む。

しかしその途端に、さっきまで押さえつけられていた感情が放たれたのか、何となくそういう雰囲気になった。

「この後、どうする?」

こうして僕たちはごくごく自然に英理奈の自宅へ向かう。

彼女の家に着き、前回ほどお酒の入っていない状態であらためて見つめ合うと、なんだか照れくさかった。僕らは互いに緊張しながら、少しぎこちないキスをする。

そしてその後は、大いに燃え上がった。

「仁さんって、不思議だよね。何だろう、この感じは」

英理奈は照れたように微笑む。

「仁さんが初めてだよ、彼氏じゃないのに家にあげたのは。男の人は基本的に家にはあげないし、付き合っていない人と体の関係は持たないって決めているのに」

言い訳を並べながらも、英理奈はすんなりと僕を受け入れてくれた。向こうも、こちらに気があるのは明白だった。

「英理奈、好きだよ」

そう囁いて、僕は深い眠りについた。



しかし、ここから事態は大きく変わってしまった。

翌日英理奈にお礼の連絡をすると、かなり素っ気ない返事が一通きたのみ。

一夜を共にする前は確かにフットワークが軽く、飲みの誘いにもすぐ来てくれたのに、その後どんなに連絡をしても二度と会ってはくれない。

そのうちに、LINEの返信さえもなくなっていった。

-女性は、体の関係を持つと心も動く。

それが、世の常ではないのだろうか?

男女が深い関係になった場合、女性は恋愛感情を持ちやすいと聞く。

僕たちは、たしかにあの夜、愛し合った。しかも一晩ではなく、二晩も。

それなのに、どうして英理奈は急に冷たくなったのだろうか?もしかして、行為がダメだったのか?

全く分からぬ女心に激しく動揺し、そして男のプライドが崩れかけている。

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その二晩で英理奈が感じていた、残酷な女心とは?