恋とは、どうしてこうも難しいのだろうか。

せっかく素敵な出会いをしても、相手に「また会いたい」と思わせない限り、デートにも交際にも発展しない。

仮に、順調に駒を進められても、ある日突然別れを突き付けられることもある。

しかし一見複雑に絡み合った恋愛でも、そこには法則があり、理由がある。

どうしたら、恋のチャンスを次のステップへ持っていけるのか、一緒に学んでいこう。

今回は、楽しく何度もデートをしていたのに、最後にアッサリ断られた男のミスという宿題を出していた。

あなたはこの宿題が解けただろうか?




私が康平と出会ったのは、友人の結婚祝いの会だった。

新郎・新婦、双方の友人10名くらいが参加しており、華やかで楽しい会だ。そして2軒目へ移動する際に、新郎側の拓海が、康平を紹介してくれた。

「葵ちゃん、紹介させてもらってもいい?こちら、僕の学生時代からの友人の康平。康平、こちら葵ちゃんです」

そう言って紹介された康平は、とても優しそうな人だった。

「拓海とはどういったお知り合いですか?」
「私はもともと、拓海さんの奥さん側の友達なんです」

そんな会話をしているうちに2軒目に着いたが、私はそのまま彼と話し続けていた。

「葵ちゃん、ワインが好きなの?」
「そうなんですよ〜とにかく食べることと飲むことが大好きで!」
「そしたら、今度美味しいご飯食べに行かない?二人があれだったら、好きな友達誘ってくれていいし」
「嬉しい〜!行きましょう!」

そうして、康平と食事へ行くことになった。彼はとてもいい人だし、食事をしていても楽しい。

しかし私は、康平が最後に出してきた“後出しジャンケン”が、どうしても受け入れられなかったのだ。


康平がやってしまった後出しジャンケンとは?


解説1:最初は勝率80%だったのに…。誘い方で、一気に確率は下がる


康平からのお誘いLINEは、出会った翌日に早速やってきた。しかしLINEを見て、私は全てを悟る。

-康平:来週『ビストロ ブノワ』予約しました。ちなみに、そちらは何名ですか?


あら?二人じゃないんだ・・・。

「食事=二人」かと思っていたので、康平のアッサリした態度に拍子抜けすると共に、これはデートではないと気がつく。彼にとっても、ただのご飯なのだろう。そう思い、私は友人を誘うことにした。

-葵:ありがとうございます!友達誘っても大丈夫ですか?


しかし当日、その友人が急遽来られなくなり、結局私たちは二人で食事をすることになったのだ。



「はぁ〜やっぱり何度来てもここの雰囲気は素敵ですよね」

『ビストロ ブノワ』は女心をくすぐるツボを心得ていると思う。素敵な内装に、美味しいワインと美しいお料理。私は一人でテンションが上がっていた。




「康平さん、お仕事は広告代理店って言ってましたよね」

前回会ったときから思っていたが、康平にはいわゆる“代理店マン”のような男臭さがない。とてもアッサリした雰囲気である。

「そうだよ。葵ちゃんは何の仕事をしてるんだっけ?」
「私は繊維系の専門商社です。広告代理店って、華やかですよね!タレントさんとかにもよく会うんですか?」
「いや、全然だよ。実際に誰かに会ったとしても、僕はあまり興味がないから」

中性的とまでは言わないが、康平は全くギラついておらず、芸能人に鼻の下を伸ばす様子もない。

そして同様に、私に対しても決してガツガツしてくることはない。

「康平さんって、毎日こんなお食事ばかりされているんですか?」

康平の普段の生活が気になり、色々と質問してみる。

「まさか。家で食べることもあるし、外で食べる時はこうやって、食べることが好きな人を誘って行くことが多いかなぁ」

-あ、ナルホドね。

つまり彼は、"一緒にごはんを食べる友達”が欲しいのだろう。だから今日の食事も私と一対一ではなく、複数人でもよかったのだ。

はじめは正直、肩透かしを食らった気分だったが、こうなると話は簡単である。向こうが友達でいるならば、私も友達として接した方がいい。二人で食事へ行っても何かあるわけでもなく、ただ楽しく会話をして終わればいいのだ。

「大丈夫?ちゃんと帰れる?」
「いい大人なんですから大丈夫ですよ(笑)もう1軒行きたい気分でしたけど…ご馳走様でした!」

2軒目へ行くまでもなくアッサリとした解散。

私はここから、康平を“男友達”とみなすことにした。

勿論、男友達から恋愛に発展することもある。しかし康平と先に進めなかったのには、決定的な理由があったのだ。


葵が、康平からの誘いを断った意外な、でも納得の理由とは


解説2:急に“男”を出されたら引いてしまう。好きなら最初からそういう態度でいてほしい


しばらくしてから、また康平から誘われた。

-康平:今度良ければ『Mimosa』の予約が取れているんだけど行かない?今回は、二人席だから二人で!


二人と言われているので、今回は友達を誘えないなぁ。そんなことを思いながらも、“行きます”と返信を打った。



『Mimosa』は新進気鋭の中華として有名だが、私はここのお料理が大好きだ。

-今日は「伊達鶏の泥包み焼き」食べられるかなぁ♡

そんな期待をして、お店へと向かう。




相変わらず美味しいお料理の数々に舌鼓を打ちながら、週末の過ごし方についての話題になった。

「じゃあ週末はカフェ巡りしているの?オシャレだね〜」
「至って普通ですよ。康平さんの方こそ、週末は何をされているんですか?」

相変わらず、何の害もない会話。

“彼氏いるの?好きなタイプは?”なんて康平から聞かれたこともない。

もし仮に、相手に多少でも気があれば聞く質問である。

しかし前回も今回も、全くそんな会話にもならない。つまり、康平は私を恋愛対象としては見ていないということだ。

「僕はジム行ったり、友達と飲みに行ったりとかかなぁ...」

康平の回答を聞いて、彼の顔をまじまじと見つめながら思わず笑ってしまった。

「いや、女性の気配がないんだなぁと思って。康平さんって、浮気とかしなさそうですよね」

何気なくそう言ったつもりだったが、途端に康平の顔がパアッと明るくなったのを見て、私はぎょっとする。

なぜか康平はニヤニヤと嬉しそうにしているのだ。

ー何か、勘違いさせること言っちゃったかしら・・・?

とりあえず私も笑って誤魔化し、店を出る。その時だった。

「もしよければ、この後もう一軒飲みに行かない?」

康平から告げられたのは、白金にあるとてもムーディーなお店だった。店内はとても暗く、男女の距離がググッと縮まるバーである。

でも、そんな所、康平と行く意味がわからない。

「二人ですし、違う所へ行きませんか?あのバーは恋人同士か、気になる異性と行く所ですよ♡」

そう言いながらも、私は気がついていた。

イキナリ、康平が“男”を出してきたことに。

急にどうしてだろうか。口説く気があるなら、最初からそういう態度でいてほしい。

女は、出会った瞬間、男を4つに分類する。“恋愛候補・友達・仕事関係・その他”と。

一旦、友達枠に入ったら、そこから急に恋人候補にはならないし、そういった目で見るのも難しい。

途中で急に“男”を出してきたら、むしろ気持ち悪いとさえ思ってしまうのだ。

本当は恋愛対象として見ているなら、初めからもっとがっつくべきである。“少しは可能性があります”という態度を、会話のどこかで垣間見せるべき。

そんな態度を微塵も見せていなかったのに、こちらの反応を伺いながら、急に後出しジャンケンで“男”を見せられても困るのだ。

-最初から、もっと分かりやすく態度に出してくれていたら違ったかもしれないのに…

「一応葵ちゃんのこと、口説いているんだけどなぁ」

背後から聞こえた康平の声に、私は聞こえないフリをして、傷つけぬよう笑顔でタクシーに乗り込んだ。

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