【新華社東京6月9日】関東学院大学の足立昌勝名誉教授は8日、東京で「国家情報会議」設置法案に関する講演会を開き、同法案は十分な根拠を欠き、将来的に情報監視の強化や軍事拡張の推進に利用される恐れがあると指摘した。日本の今後の進路にも深刻な影響を及ぼしかねないとの見方を示した。

 足立氏は、「国家情報会議」が将来、国家安全保障会議などの機関と連動し、相互に強化し合う運用体制を形成する可能性があるとした。情報収集の範囲を絶えず拡大し、それを根拠に新たな安全保障・軍事政策を打ち出すことで、日本の軍事拡張に「正当性」を与え、日本を危険な道へ導きかねないと懸念を示した。

 また、高市早苗首相が「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境」を理由に、「国家情報会議」を含む国家情報体制の構築を推し進めていると指摘。「仮想敵」の脅威をあおり、自らの政策を正当化しようとする手法は、高市政権の常とう手段になっていると論じた。

 現在の地域情勢の緊張については、高市氏の誤った言動や軍事拡張政策が一定の要因になっていると指摘した。高市氏がこれを反省するどころか、緊張状態を理由にさらに危険な政策を推し進めていることは、地域情勢の緊張を長引かせることになると述べた。

 高市政権が主導した「国家情報会議」設置法案は、日本の情報体制の統合・強化を目的としている。4月に衆議院、5月に参議院でそれぞれ可決された。日本国内では、政府の情報収集活動の範囲や限界が明確に定められておらず、有効な監督の仕組みも欠いているとして、施行を懸念する声が広がっている。