謎の「高・中速車」標識…意味わかる?

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謎の「高・中速車」標識…意味わかる?

 クルマを運転して古い市街地や地方の道を走っていると、最高速度を示す丸い本標識の下に「高・中速車」と書かれた補助標識が取り付けられているのを見かけることがあります。

 また、路面のペイントで制限速度とともに「40 高中」と記されているパターンも存在します。

【画像】「ええぇぇ…!」 これが日本に存在する「時速300キロ制限!?」の道路標識です!(11枚)

 これを見て、「自分のクルマは高速車なの? それとも中速車?」と戸惑ってしまうドライバーもいるかもしれません。

 そして「免許取得時の教習でも習った記憶がない!」という人がほとんどのはずです。

 では、この「高・中速車」とは一体何を意味しているのでしょうか。

 結論から言うと、これは現在では“すでに存在しない過去の法律”に基づく、いわば「生きた化石」のような標識です。

 現在の道路交通法では、一般道における法定最高速度は、原動機付自転車(原付)や小型特殊自動車などを除き、普通乗用車も大型トラックもバイクもすべて「一律60km/h」に統一されています。

 しかし、1992年(平成4年)の法改正以前は、自動車の法定速度は車種ごとに細かく区分されていました。

 当時の区分は大きく3つに分けられており、「高速車」は普通乗用車や大型乗用車、250ccを超えるバイクなどで、法定速度は60km/hとされていました。

 次に「中速車」は、大型貨物車やマイクロバス、250cc以下のバイクなどを指し、法定速度は50km/hでした。

 そして「低速車」が原付などで法定速度30km/hという仕組みです。

 つまり、当時の「高・中速車」という補助標識は、「普通車から大型トラック、バイクなどは、この速度制限に従ってください」という指示を意味していたのです。

 その後、1992年の法改正によって最高速度がクルマやバイクで一律に統一されたことに伴い、この「高速車」「中速車」という区分自体が消滅することになります。

 当然、全国の道路にあった「高・中速車」の補助標識や路面標示は不要となったため、本来であれば順次撤去されたり、文字が見えないように上からテープなどで隠されたりするはずでした。

 しかし、全国に無数にある標識や標示をすべて漏れなく更新・撤去するのは難しく、見落としなどによってそのまま30年以上もひっそりと取り残されてしまったものが存在。

 これがいま私たちがまれに目撃する「高・中速車」標識の正体です。

 次に気になるのが、もし現在この「高・中速車」の標識や「高中」の路面標示を見かけた場合、どうやって走ればよいのかという点でしょう。

 しかし何も心配する必要はありません。

「高・中速車」という文字自体は法律上すでに意味を持たないため、ドライバーはとくに気にする必要は無く、その上や隣に掲げられている「最高速度(たとえば40km/h)」の標識に従って走行すれば、何の問題も起こりません。

 このように、現在では道路の再舗装や標識の更新作業が進み、年々姿を消しつつある非常に珍しい存在となった、「高・中速車」の標識。

 もしドライブ中に見つけることができたら、“昭和の交通ルール”に少し思いを馳せつつ、今まで通り安全運転を心がけてみてください。