【追悼・佐藤愛子さん】プロデューサー・残間絵里子さんが贈るメッセージ「大好きであまりにも大きな存在だった佐藤さん。いまも変わらずこの世にいらっしゃるような気がします」
作家の佐藤愛子さんが102才で亡くなった。佐藤さんが憧れの存在だったというプロデューサーの残間絵里子さんが追悼した。
【写真】子犬を抱く、若き日の作家・佐藤愛子さん。他、紫式部文学賞を受賞したときの佐藤愛子さんなども
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佐藤さんは、私にとって敬愛してやまない存在です。いまから30年ほど前、ライター業をしながら、もっとまとまった文章を書きたいと思っていた時期には、とにかくお手本は佐藤さんしかいないと、『戦いすんで日が暮れて』を写経のように全部書き写したこともありました。独特のテンポ感や、句読点の位置、字詰めの仕方まで、我が身に刻み込みたいと必死になって勉強するくらい私は佐藤さんの文章に魅了されています。
佐藤さんのように、嫌な人も大変な出来事も、"見ておいてやろう"と一歩下がって物事を捉えられる人はそういない。キレのいい筆致が素晴らしいのはもちろんですが、その批判眼から学んだことも多かったです。
シニア支援の活動を行って多くのかたと接していると、佐藤さんのように年を重ねられても世間のニーズに応えながらいろんな人と会って執筆されるエネルギーを持ち続けるのはなんと難しいことなのだろうと感じます。私もそうありたいなと思いますね。
幸運なことに講演をお願いして、お会いしたこともありました。その頃の佐藤さんは70才くらいかな。紫色のワンピースをお召しになっている姿は匂い立つように美しく、知的で凜としていて、本当に素敵な人だと感激したことを鮮明に思い出します。その後も何度か対談やインタビューでお会いする機会はありましたが、私にとってあまりにも大きな存在で、気楽にお声がけするなんて到底できなかった。憧れすぎてお近づきできないのは後にも先にも佐藤さんだけです。大好きで大ファンなんです。
これまで、たくさんのかたの死に接してきました。死というものは、必ずや皆に訪れるものではありますが、やはり気落ちしてしまうもの。でも、佐藤さんの訃報に接しても、著書を通してずっとそばに感じていたからか、いまも変わらずこの世にいらっしゃるような気がします。
もう一度どこかでもし、お会いできたら、今度こそはもう少し親しくなりたいなと思います。
※女性セブン2026年6月11日号
