K−Pg境界が見つかった主な地点

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 約6600万年前の白亜紀末に恐竜絶滅を引き起こしたとされる小惑星衝突の痕跡を示す地層を北海道東部で発見したと、福井県立大や東京大、東北大などのチームが発表した。

 北東アジアや北西太平洋域で痕跡が確認されたのは初めてという。衝突地点から遠く離れた地域での生態系の変化を解き明かす手がかりになると期待される。論文が20日、国際科学誌に掲載された。

 小惑星はメキシコ・ユカタン半島付近に落下。大量のちりが拡散し、太陽光が遮断されて急激な寒冷化が起きたことで、大繁栄を遂げていた恐竜の絶滅につながったと考えられている。

 小惑星にはイリジウムなどの元素が高濃度に含まれていたとみられる。これらの元素を含むちりが堆積(たいせき)した地層は、白亜紀とその後の時代を分ける「K―Pg境界」と呼ばれ、世界各地で見つかっている。

 国内ではこれまで北海道浦幌町にある地層群「根室層群」に、唯一のK―Pg境界と推定されていた地層があり、チームは2013年、一帯の調査を開始。従来考えられていた地点ではなく、約4キロ離れた川流布(かわるっぷ)川の支流付近で、イリジウムなどを多く含む地層を発見し、火山灰による年代測定の結果からもK―Pg境界と確認できたという。

 チームの高嶋礼詩(れいし)・東北大総合学術博物館教授(地質学)は「試行錯誤で何度も掘り起こし、10年がかりで突き止めた。より完全なK―Pg境界の探索を今後も続けていきたい」と話した。

 真鍋真・国立科学博物館長(古生物学)の話「白亜紀末の大量絶滅はまだ謎が多い。衝突地点から遠く離れた場所でも全ての生物が死に絶えたのか、生き残った生物がいたのか、今回の地層の上下を調べることでわかるかもしれない」