「現役引退後も徳島で」 徳島ヴォルティス・田向泰輝さん【徳島】
競争の激しいプロスポーツの世界、アスリートたちは、活躍の場を求めて日本各地を転々としています。
そんな中、現役引退後もクラブに残り、徳島で第二の人生をスタートさせた男性の想いに迫りました。
(徳島ヴォルティス強化部・田向泰輝さん)
「自分としては現役を続けたい気持ちと、いろんな迷いがあって」
「これからの人生の中でも一番自分にとって今、熱量が傾けられる選択肢が、ヴォルティスで働くことだなって最終的に思ったので」
(徳島ヴォルティス強化部・田向泰輝さん)
「昨シーズンをもって現役を引退することを決めました」
徳島ヴォルティスのスタッフとして働く、田向泰輝さんです。
茨城県出身の田向さんは12年前、当時J2の水戸ホーリーホックでプロ入りし、7年前から徳島でプレーしました。
田向さんはディフェンダーとして粘り強い守備はもちろん、積極的に攻撃参加しチャンスを演出するなど、攻守にわたって献身的にプレーする選手でした。
2月15日に行われた引退セレモニーでは、これまで応援してくれたサポーターに感謝の思いを伝えました。
(徳島ヴォルティス強化部・田向泰輝さん)
「現役生活12年間、本当にたくさんの人の支えのおかげで、走り続けることができました。ありがとうございました」
このあと、ヴォルティスの岸田一宏社長や家族から花束を受け取り、12年のプロ人生に幕を下ろしました。
(徳島ヴォルティス強化部・田向泰輝さん)
「これで本当に自分の中で、改めて終わりなんだなと区切りというか、気持ちのところでも本当に終わるんだなって」
そんな田向さんは、2月から、ヴォルティスで選手のサポートやスカウトなどを行う強化担当スタッフとなり、この日の練習では、選手やコーチの様子を見守っていました。
(徳島ヴォルティス強化部・田向泰輝さん)
「僕は基本、選手の表情とかどういう姿勢でトレーニングに臨んでいるかとか、そういったポイントを主に見てますけど」
「この立場になってから、選手じゃなくてコーチングスタッフだったりとか、そういう人が働きづらさがないかとか」
「やりづらさがないかをトレーニング中に見ながら、課題であったりとか、もっとこうした方がいいポイントがあるかとかも含めて、意識して見てます」
(記者)
「外から見るのはどう?」
(徳島ヴォルティス強化部・田向泰輝さん)
「そんなに違和感ない。もっとやりたくなるかなと思ってたんですけど、今のところそんな気持ちになることもなく、自分の中では違和感なくピッチを見てます」
すると、田向さんの元にボールが…。
(徳島ヴォルティス・児玉駿斗 選手)
「集中して~」
(徳島ヴォルティス強化部・田向泰輝さん)
「(児玉選手は)茶々入れようとしてくる」
(記者)
「コミュニケーションは多い?」
(徳島ヴォルティス強化部・田向泰輝さん)
「去年まで一緒にやってたから、多いですね」
練習の後は、プロ1年目、福田武玖選手の新人研修を行いました。
(徳島ヴォルティス強化部・田向泰輝さん)
「これからプロサッカー選手やっていく上で、大事な項目も入っているので、しっかり集中して聞いてください」
(徳島ヴォルティス・福田武玖 選手)
「はい、お願いします」
2025年まで、ともにプレーしていた選手も多く残った2026年のヴォルティス。
田向さんは、ほかのスタッフよりも近い立場で、選手とコミュニケーションを図ります。
(徳島ヴォルティス・福田武玖 選手)
「自分が去年、練習参加もいっぱい来させてもらって、その時もいろいろ喋ってもらったので、優しく接してくれて助かってます」
(徳島ヴォルティス強化部・田向泰輝さん)
「今の段階でいうとやっぱり、選手との距離は当然近い立場にはあるので、直接会社に言いづらいことも自分が間に入って」
「もう少しこうしてほしいってことを聞いてあげて、いらないストレスを抱えないように、よりサッカーに集中して取り組めるような環境を作るために、選手といろんなコミュニケーションを取りながらやっていくことが、今年一番求められているところ」
ヴォルティスは、田向さんのほかにも、これまで引退した選手をスタッフとして迎え入れてきました。
その狙いは何なのか?岸田一宏社長に聞きました。
(徳島ヴォルティス・岸田一宏 社長)
「クラブの歴史も知っているし、クラブが目指すものも理解しているので、ぜひその力を引き続き借りたい」
「残ってもらいたいと、そういう想いでオファーしている」
県外出身の田向さんですが、引退後、徳島を去ることは考えなかったと言います。
(徳島ヴォルティス強化部・田向泰輝さん)
「本当に思い出がたくさんあるし、好きな場所や好きなご飯屋も徳島でたくさんできたので、自分にとってはすごく住みやすくて大好きな土地です」
大好きな場所でこれからは。
(徳島ヴォルティス強化部・田向泰輝さん)
「強化の仕事としていろんなことに挑戦して、自分の力でヴォルティスに貢献できたっていうのを、ちゃんと胸張って言えるような、そういう仕事ができるようになりたい」
この日、スタンドから選手の活躍をみつめる田向さんがいました。
クラブのために、これからは形を変え、夢を追いかけ続けます。
引退セレモニーでは、田向さんがチームとサポーター、それにフロントなどを繋ぐ、3人目の「クラブコミュニケーションオフィサー」に就任することも発表されました。
特別リーグを連勝という形で好発進したヴォルティス。
田向さんを含めたスタッフのサポートも、大きいのではないでしょうか。
徳島で第二の人生を送る元プロサッカー選手、田向泰輝さんをご紹介しました。
