実業家のマイキー佐野氏が自身のYouTubeチャンネルで、『【為替】来年、未曾有の「円高 or 円安」が到来。日銀が為替介入しても止められない理由を解説』と題した動画を公開した。2026年にかけての円相場について、一般的に語られる「日米の金利差縮小により円高へ向かう」という見方に疑問を呈し、むしろ「悪い金利上昇」がさらなる円安を招く可能性を指摘している。

佐野氏は、多くのアナリストが予測する「米国の利下げと日本の利上げにより金利差が縮小し円高が進む」というシナリオを「極めて薄いアナリティクス」と一蹴する。この見方は為替変動の複雑な要因を見落としているという。

解説の核となるのが、金融市場における「太陽」に例えられる10年国債の利回りである。佐野氏は、この利回りが株式や原油といった他の金融商品の価値決定における基準となっており、為替の動向を理解するにはこの指標を正しく読み解く必要があると語った。

さらに同氏は、「悪い理由で金利が上昇した場合」に生じるパラドックスについて言及する。国の財政悪化など否定的な要因で金利が上昇すると、名目上の金利は上がってもリスクも同時に増大する。その結果、投資家はその国の通貨や債券を敬遠し、リスク回避のために円売りが加速して円安が進むというのである。

日銀の金融政策についても、総裁が示す中立金利レンジが今後の利上げペースに影響を与えると分析する。政策金利が一定水準に達すると、その後の利上げは極めて慎重になる可能性が高く、米国のように短期間で連続利上げが行われる展開は想定しにくいとした。

また、為替介入についても効果が数時間から数日しか持続しない「単独介入」と、複数国が連携して行い効果が数週間から数ヶ月続く「協調介入」の違いを明確にした。そのうえで、現在の政治状況や経済状況では協調介入の可能性は低いと分析している。

佐野氏は、これらの複合的な要因から、単純な金利差の議論だけでは為替の未来は見通せないと結論付けた。日本の経済状況や慎重な金融政策運営を考慮すると、むしろ円安になる方向性の方が強いとの見解を示している。2026年の為替動向を考察する際、名目金利だけでなく実質金利、期待インフレ、リスクプレミアムといった複数の要素を総合的に判断する視点が求められる。

チャンネル情報

マイキー佐野です経済・金融・投資・経営・最新の研究やニュースなど様々なテーマについて、ズバズバ切り込んで話していきます〜2021年より最新の学術理論、経営学、経済学、社会学を紹介するYouTube「マイキーの非道徳な社会学」を開始現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営