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じつは「SUV」と呼んでいない

トヨタが予告していたSUVボディの「新型センチュリー」が発表され、これからはセダン型とSUV型の2つのセンチュリーを選べるようになった。

【画像】新型トヨタ・センチュリー(SUV型) デザイン/内装【細部まで見る】 全77枚

じつのところトヨタは、新型をSUVとは表現しておらず、センチュリーを求めるカスタマーのために“選択肢を増やした”というスタンスを取っている。


トヨタが初公開したセンチュリーの新型車。従来のセダン型に比べて全高が300mm高い。    神村聖

では現代の顧客は、センチュリーにどんなことを望んでいるのだろう?

同社のデザイン領域を率いるサイモン・ハンフリーズ執行役員(チーフブランディングオフィサー)が、発表会の場で3つの現代化について語っている。

1つ目は、自分を整えるための“スペース”だ。

キュレートするクルマとは?

新たなボディ形状は、「多様なお客様のニーズに端を発している」と切り出したハンフリーズ氏。

「(センチュリーのオーナーである)彼ら彼女らは、仕事に向き合うスペースも必要だが、くつろぐスペースも必要。話を楽しむスペースも必要だが、逃げ出すスペースも必要」


新型センチュリー発表会に登壇したサイモン・ハンフリーズ執行役員(チーフブランディングオフィサー)    神村聖

「考えるスペースを求めると同時に、インスピレーションを得るスペースも求めている。プライバシーを重視しながらも、パブリックライフも受け入れる」

「つまりわたし達は、お客様が個人的な体験を、現実的にも感情的にもキュレートできるクルマをご用意する必要があったのです」

ハンフリーズ氏が使った“キュレート”という言葉には、“多くの情報から整理し、再構成する”という意味がある。

シビアな時代を生きるカスタマーのために、自分を整えるための時間・空間づくりが必要だった……。

セダンよりも車高が高く、頭上スペースも広い新型の室内を目にすると、そんなテーマがあるように思えてならない。

まさかのガラスで、3ボックス形状に

2つ目は、「もっとも重要」と表現された後部座席。ポイントは静粛性だ。

「集中力や生産性が必要なとき、決して邪魔にならないように、必要なすべてのものが手元にあること」


新型センチュリーは、3ボックスボディのように、車室と荷室の間に隔壁&ガラスが存在する。    神村聖

「また生産性を高めるにはインスピレーションや創造性、つまり、考えたりリラックスする時間も必要です」

「最も静粛性の高いクルマとして、センチュリーは完璧な環境を整えました」と語っている。

SUVのように見える新型センチュリーだが、じつは後席と荷室の間を、ボディ骨格入りの隔壁で隔てている。

さらに、後席ヘッドレストの背後にはガラスまで設置され、車室と荷室はセダンのように別の空間になっているのだ。

これにより、どんな速度であってもくつろぐことができるし、大きな声を出さずに会話を楽しめる。

わたしだけの1台 「ご提案します」

3つ目は、オーナーの好みに沿ったカスタマイズ。

「どのセンチュリーもテーラーメイドのようにお客様のご要望にお応えできる」とハンフリーズ氏が紹介したのが、参考展示のセンチュリーGRMN。


パーソナライゼーションもセンチュリーの現代化の1つ。新型センチュリーGRMNというクルマは、リアドアがスライドして開いた。    神村聖

「カラーであれ、素材であれ、シートコンフィギュレーションであれ……」

「到着時にクルマから降りる方法まで……そう、ドアまでも選べるのです」という言葉とともに、センチュリーGRMNのリアドアが自動でスライドして開いたのだ。

通常のヒンジドアとは異なるオプションを、新型センチュリーには用意しているということだろう。

新型センチュリーの価格は2500万円。

トヨタのウェブサイトによると「ご購入にあたっては、販売店の担当マイスターが一人ひとりのお客様と丁寧にコミュニケーションを重ね、ご希望に合ったおクルマをご提案します」となっているから、パーソナライゼーションも新型の見所となるだろう。