個別指導塾を経営・運営し、1500人の生徒をサポートした、プロ家庭教師の妻鹿潤です。

最近、コンピューターゲームでするスポーツの「eスポーツ」の部活が増えています。先日もある生徒が「俺も学校でeスポーツ部があったら良いのに」と話していました。

日本はeスポーツ後進国と言われてますが、「eスポーツを学習や部活動で採用した学校数」は、日本でも285校(2021年時点)あるそうです。

「ただ遊んでいるだけ?」
「部活の思い出が、ゲームなんて寂しい」

保護者からは、そんな疑問も出てきそうですが、実際はどうなのでしょうか?(文:プロ家庭教師 妻鹿 潤)

チームワークが必要とされる場面も


eスポーツは、勝ち負けにこだわらない娯楽ではなく、れっきとした「競技」です。部活としてのeスポーツは種目がゲームなだけで「切磋琢磨し、勝ち負けを通じて何かを得る」という点では、他のスポーツや囲碁将棋部などと変わりません。

国内で人気の種目には、プロ野球eスポーツリーグ「パワプロ」、サッカーゲーム「ウイニングイレブン」、格闘ゲームの「ストリートファイター」などがあります。名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

eスポーツは個人戦だけでなく、3人?5人のチーム戦も多くあります。強くなるためには基礎練習、作戦会議といったミーティングや反省会をしたりといったことも不可欠です。

野球でいえば「甲子園」のような、[全国高校eスポーツ選手権]もあり、前回大会では194校346チームがエントリーしてます。

つまり、「大会で勝つために仲間と協力して、時に競い合う」舞台も用意されていて、この点では運動部と変わらない「青春」も味わえそうです。

実際、毎日新聞が主催する同大会で実績を残した選手たちは、[部活卒業後の座談会]で、次のように語っています(毎日新聞 2021/10/31付)。

「第1試合を勝ち、流れをつかんだと思ったけど、第2試合で負けると、チーム内のある選手が『自分のせいだ』と責め始めて。そこでチームの士気が下がってしまった。その選手をカバーしきれずに、第3試合も負けた。その選手は、試合後も『俺が出場しなきゃよかった』ってずっと言っていたので、僕たちが『そんなことない』って励ましたことを今も覚えている」

「人生の中で最もいい思い出。今でも、あの頃にずっと戻りたいと思っている。そのくらい大きな大会だった。プロになった今では、試合の重圧がすごい。だから、あの時が一番楽しんでRL(※編注:ゲーム名)をやっていたと思う」

文科省・経産省の後押しも

eスポーツは教育的効果だけでなく、様々な周辺市場・産業への経済効果が見込めるため、文科省や経済産業省も後押ししています。

教育的効果では、「集中力や俯瞰力を向上させる」、「問題解決スキルを高める」、「科学的推論を促進する」、「数学・数式、頭の使い方を学ぶ」や、言語学習の視点から「非言語的なことを通じて海外の方々とコミュニケーションを取る」、また、「テクノロジーやデジタルのリテラシーを高める」といった効果が着目されています。

アメリカでは、北米教育eスポーツ連盟が学校に聞き取り調査をしたところ、〈その場の状況を鑑みて、仲間とともに自分が「どのようなコミュニケーションを取るべきか判断する」、仲間と目標や目的を一致させて「自分の役割や行動を決め、チームを動かし達成する」といった能力〉が〈最も向上した〉というリサーチ結果が出たそうです。

ただ、新しい分野ということで、学校の指導体制も完全に整った状況とは言えないでしょう。「ゲーム依存」も話題になっており、ハマりすぎも心配です。

お子様が入部の際には、学校や部活の方針や目標・運営体制なども確認して、家族でじっくり相談してから決めることをおすすめします。

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【筆者プロフィール】】株式会社STORY CAREER取締役 妻鹿潤(めがじゅん)
関西学院大学法学部卒。塾コンサルタント・キャリアコンサルタント・プロ家庭教師などを通してのべ1500人以上の小中高生、保護者へ指導・学習アドバイスを行う。
大手教育会社時代は携わった教室が10か月で100人以上の生徒が入会する塾に。しかし志望校合格がゴールの既存教育に限界を感じ、「社会で生き抜く力」を身につける学習塾を起業。40〜50点の大幅な点数アップを実現し、生徒のやる気を引き出すメソッドを確立。入塾待ちの塾となる。
現在はキャリアコンサルタントとして企業の採用支援、大学生・社会人のキャリア支援を行う。ほかにも塾コンサルティング、プロ家庭教師、不登校・発達障害の生徒の個別指導なども行っている。