8メートルもある木に登って授業を受ける大学生(画像は『PRI.org 2020年11月19日付「Siberian student scales birch tree for internet access as classes move online」(Credit: Alexey Malgavko/Reuters)』のスクリーンショット)

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多くの学生がオンライン授業を強いられている中で、ロシアの奥地に住む1人の学生がネット環境の悪さを訴えた動画をSNSに投稿した。授業のために森の中を300メートル進み、8メートルの高さまで木に登るという。学生の苦労を明かした動画は多くの注目を集め、教育省の耳にも入り対策が講じられた。『Fox News』などが伝えている。

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ロシアの首都モスクワから2千キロ以上離れたシベリアの奥地オムスク市に住むアレクセイ・デュドラドヴさん(Alexei Dudoladov、21)は大学生だ。コロナ禍で対面講義が中止されているため、農業を営む実家からオンラインで授業を受けているという。

しかしアレクセイさんの実家は地方のさらに奥地の村にあり、自宅のインターネット回線は2Gしか届かず、授業の映像はいつも途切れたり止まってしまうこともあるそうだ。解決策として思い付いたのは、高い木に登るという案だった。

アレクセイさんは「家だとインターネット環境が悪すぎるけど、高い木の上だとかなり改善されます。そのためには森の中を300メートル進み、8メートルの高さの木を登らないといけません。でもそうすれば教授と会話もできるし、授業を欠席することもありませんよ」と話す。

自身の苦労を知ってもらうためにアレクセイさんはTikTokやInstagramに動画を投稿し、自分の村のインターネット環境について説明した。この動画は多くの人に視聴され、大きな注目を集めた。

アレクセイさんの訴えを耳にしたオムスク市の教育省は、アレクセイさんが勉強できるネット環境の良い場所を特別に用意したという。これに対しアレクセイさんは「僕に個別で対応してくれたけど、地方に住む他の学生への対策はされていないようだ」とインフラの整備など、ネット環境問題自体の解決策を望んでいる。

ロシアでは全土の80%は問題なくインターネットを使用することができるが、一部の地方ではインターネットはあるものの、途切れたりスピードが十分でないことがあるという。「なぜ都市部では普通に使えるネットが、田舎では木の上や屋根の上に登らないと使えないんだ?」と訴え続けるアレクセイさんのもとには、同様にネット環境の良くない地域に住む人々から多くの共感の声が届いている。画像は『PRI.org 2020年11月19日付「Siberian student scales birch tree for internet access as classes move online」(Credit: Alexey Malgavko/Reuters)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)