ブラジルの研究者が、「それまでの記録を大きく上回る高さの樹木を南米のアマゾン川流域で発見した」と報告しました。その種の植物の限界だとされていた高さを30m近く更新し、高さが約88.5mに達したという樹木は、樹齢400年から600年だと推測されているとのことです。

The giant trees of the Amazon basin - Gorgens - 2019 - Frontiers in Ecology and the Environment - Wiley Online Library

https://esajournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/fee.2085

Researchers Discover the Tallest Known Tree in the Amazon | Science | Smithsonian

https://www.smithsonianmag.com/science-nature/researchers-discover-tallest-known-tree-amazon-180973227/

Amazon's 'tallest tree' safe from fires, say scientists - Environment - The Jakarta Post

https://www.thejakartapost.com/life/2019/09/06/amazons-tallest-tree-safe-from-fires-say-scientists.html

アマゾンで最も巨大な木を発見したのは、ブラジルの大学であるUniversidade Federal dos Vales do Jequitinhonha e Mucuriで森林工学を研究しているエリック・バストス・ゴーゲンス氏らの研究グループです。ゴーゲンス氏らは当初、衛星からのレーザースキャンによりアマゾン川流域の状況を調べるプロジェクトに従事していました。

このプロジェクトの最中にゴーゲンス氏は、ギアナ高地を流れるアマゾン川の支流であるジャリ川付近に80m近い樹木が存在するというデータを発見。専門家としてアマゾンの森林を熟知しているゴーゲンス氏でも、80mを超えるような樹木がこの地域に存在しているとは思えなかったため、「当初は飛んでいる鳥か人工の塔が捉えられたのか、さもなくばセンサーのエラーだと思いました」とのこと。

繰り返しデータを検証し、未知の巨木が存在することを確信したゴーゲンス氏は、実際にその目で確かめるべく登山の専門家と共に現地に向かいました。そして、ボートでの川の遡上を含め総長240kmの道のりを5日間かけて踏破したゴーゲンス氏らを待っていたのが、高さが約88.5mのDinizia excelsaという種の樹木でした。



ポルトガル語でAngelim vermelho(赤い木)もしくはAngelim pedra(石の木)と呼ばれている木は、耐久性に優れているという性質から木材として重宝されています。また、レッドリストでは低危険種に分類されているとおり、新種の樹木でも、特に珍しい木というわけでもありません。

ゴーゲンス氏を驚かせたのはその高さでした。Dinizia excelsaの高さはこれまで平均的には50m、高くてもせいぜい60mほどだとされてきました。しかし、ゴーゲンス氏が訪れたジャリ川近辺には、70mを超す高さのDinizia excelsaが15本も見つかったとのこと。しかも、今回の調査で訪れたのはギアナ地域のごく一部だったため、さらに高い木がまだ大量に存在している可能性があります。ゴーゲンス氏は、この木々の樹齢はおよそ400年〜600年だと推測していますが、一体なぜDinizia excelsaがここまで大きくなったのかについては、はっきりとは分からないとのこと。

ゴーゲンス氏は「人里離れた奥地にあるおかげで伐採を免れたほか、この地域が強風や嵐の通り道になりにくく、土壌も比較的安定しているためではないか」と述べて、さまざまな幸運が重なって巨木がこれまで生き延びてきたのだとの見方を示しました。

ゴーゲンス氏はさらに、「この大きさの木は通常の樹木500本分の炭素を貯蔵することが可能で、炭素貯蔵量という観点からすれば、たった1本だけでも1ha(1万平方メートル)分の森林に相当する価値があります」と話し、今回発見された巨木がいかに貴重な存在であるかを強調しました。

アマゾンでは2019年に入り観測史上最大規模の火災が発生していると報じられており、回復するには数世紀も必要になるほど深刻な被害が発生していることが明らかとなっています。

火災で焼失したアマゾンの熱帯雨林が再生するには数百年以上かかると研究者が主張 - GIGAZINE



by rosinakaiser