一辺が10cmの小さな木製の箱には、限りない可能性が秘められている──。2024年12月9日。上空400kmに浮かぶ宇宙実験施設「国際宇宙センター(ISS)」から、重さ1kgという小型の人工衛星が解き放たれる。その30分後にアンテナが開き、データの送受信ができた段階で、世界初となる木造人工衛星の運用が始まる。この人工衛星の名前は「リグノサット(LignoSat)」(ラテン語で「木」を意味する“リグノ”と「サテライト」(人工衛星)