マックのセットが「安くて785円」。イラン戦争と物価不安で“せこく”なったアメリカの今
戦争が始まって1カ月ぐらいがたった3月後半、頻繁に立ち寄る郊外の店で「5ドルミール」を購入しようとしたところ、飲み物代が余分にかかるようになっていた。Sサイズのコーラを選択したら、50セント(79円)が請求額に上乗せされていたのだ。値上げの知らせなどはどこにもなく、50セントぐらいなら顧客も黙って払うだろう、というような値上げの仕方だった。
マクドナルドには「5ドルミール」目当てにほぼ毎日通っているが、このやり方を不快に思い、数日間、この店には行かなかった。1週間後、再び訪れてみると「5ドルミール」は6ドルに値上がりしていた。「もうこの店では買わない」と決意したが、マクドナルドでさえ、貧しい層が住む地域でも「5ドルミール」を維持できなくなったようだ。
かつては取り放題だった紙ナプキンも、現在は店側が厳しく管理している。戦争が始まった後は、主張しなければ2枚ぐらいしか入れてくれなくなった。
広大なアメリカをひとくくりにして話すことはできないが、物価上昇で生活しにくくなっているのはいずれの地域も同じだ。経済に余裕がなくなれば、気前の良さは影を潜める。おおらかなアメリカは遠い存在になりつつある。
【谷中太郎】
ニューヨークを拠点に活動するフリージャーナリスト。業界紙、地方紙、全国紙、テレビ、雑誌を渡り歩いたたたき上げ。専門は経済だが、事件・事故、政治、行政、スポーツ、文化芸能など守備範囲は幅広い。
