もともと特定のキャリアでしか使えないSIMロックがかかった端末と対比していたときの名残りで「SIMフリー」と呼ばれることがある非キャリアモデルのスマホ。キャリアモデルではないため、購入できる場所もメーカー直販の公式サイトや、MVNOとのセット販売が中心でした。一方で、昨年後半ぐらいから、徐々にキャリアもSIMフリーモデルを取り扱い始めています。

KDDIとソフトバンクは、SIMフリースマホ(オープンマーケット版)を扱うブランドを開始した

 ソフトバンクの「SoftBank Free Style」や、KDDIの「au Flex Style」がそれです。一般的なソフトバンクやauのスマホとは異なり、あくまでメーカーの製品を“物販”としてアクセサリーのように扱っている格好ですが、キャリアならではの機能も生かして、より買いやすいような仕掛けも取り入れられています。ここでは、そんな新しいSIMフリースマホの買い方を解説していきます。

公式価格より安いことも、チェックしておきたい販路

 まず、本連載のメインテーマでもある経済的なメリットの話から。平たく言うと、SoftBank Free Styleやau Flex Styleはおトクか? ということです。結論から申し上げると、端末によってはメーカー公式サイトや家電量販店などで購入するよりも、 安く新機種が手に入ることもあります 。

 例えば、4月に販売を開始したOPPOのフォルダブルスマホ「OPPO Find N6」は、au Flex Styleで取り扱われています。メーカー公式サイトや家電量販店では、30万円超えとその高額ぶりが話題になりましたが、auでは、30万円を下回る価格設定になっています。その価格は、29万9900円。一般的な販路と比べて、2万円近く安くなっています。

OPPOのFind N6は、auだと30万円をギリギリ下回っている

 同様に、SoftBank Free Styleで取り扱っているシャオミの「REDMI Note 15 Pro 5G」は、販売価格が5万5008円。こちらも、シャオミの公式ストアでは6万4980円で販売されており、1万円程度、ソフトバンクの方が安めに設定されています。いずれの端末も、オープン価格を採用しているため、販路ごとにばらつきが出ることはありますが、キャリアから購入した方が安くなります。

ソフトバンクはREDMI Note 15 Pro 5G(写真左)を5万円台で販売している

 一方で、“端末によっては”と述べたように、公式ストアとほぼ同じか、高くなるケースもあります。auで販売される「Nothing Phone(4a)」は、価格が5万8800円。これは、Nothingの公式ストアや家電量販店での価格と変わりません。

auのNothing Phone(4a)は、公式価格と同じ。機種によって価格設定は異なるようだ

 ソフトバンクの「OPPO Find X9」に至っては、価格が14万9808円と、OPPO公式楽天市場店での13万4820円よりも1万5000円程度、高い価格で販売されています。au、ソフトバンクのどちらとも、必ずしも安いわけではなく、機種によって価格設定に緩急をつけていることがうかがえます。

Find X9は、ソフトバンクの方が高くなっている。こうしたケースもあるため、吟味が必要だ

ソフトバンクはPayPayポイント還元が熱い

 もう1つ、コストパフォーマンスに影響を与えるのが 還元 です。ここでがんばっているのがソフトバンク。キャリアモデルとは違い、新トクするサポートなどは利用できませんが、SoftBank Free Styleの端末購入に対してPayPayポイントによる還元を行っているため、実質価格をさらに抑えることができます。

 ただし、本体価格が高めの端末の方が、PayPayポイントを多めにもらえるわけではありません。価格とポイント還元が正比例しているわけではないと言えるでしょう。上記の端末では、OPPO Find X9が2万ポイントの還元なのに対し、より本体価格が高いシャオミの「Xiaomi 17 Ultra」は1万ポイントの還元にとどまっています。

Xiaomi 17 Ultraは1万ポイントの還元。必ずしも本体価格とは比例していないようだ

 また、Nubia Technologyのゲーミングスマホ「REDMAGIC 11 Pro」は、価格が「Find X9」よりも高い15万7824円になる一方で、PayPayポイントの還元は5000ポイント。このポイント還元の原資がキャリアとメーカーのどちらから出ているかは不明ですが、提供主体はソフトバンクのため、どちらかと言うと意識的に売りたい端末のポイント還元を手厚くしていることがうかがえます。

nubiaのREDMAGIC 11 Proも、5000ポイント還元

 先に挙げたOPPOの「Find X9」も、確かに公式ストアや家電量販店などと比べると割高に設定されていますが、 ポイント還元まで加味した実質価格は逆転 します。「PayPayポイントならほとんど現金と変わらず使えるからいいや」と思える人であれば、あえてソフトバンクのSoftBank Free Styleを選んで購入するのも手と言えるでしょう。

 さらに、SoftBank Free Styleのページには、ソフトバンク回線のSIMのみ契約が可能なサイトへのリンクが張られています。ここから契約した場合、1万2000ポイントが付与される形になります。ただし、SIMのみ契約に対してポイント還元を行っているのは、ソフトバンクだけではありません。

ソフトバンク回線の契約で、さらなるポイント還元を受けることも可能だ

 サブブランドのワイモバイルは、料金プランの条件はありますが、1万5000ポイントを還元。端末はどのキャリアでも使えるSIMフリーなので、あえてメインブランドを契約する必要はありません。こうした自由度の高い買い方も可能。回線契約が前提になる一般的なキャリアモデルとは大きく扱いが異なっていると言えるでしょう。

分割払いも可能、ただしキャリアスマホと違って制限も

 総額が変わらないため、おトクになるというわけではありませんが、 分割払いで購入 できるのも、SoftBank Free Styleやau Flex Styleの魅力と言えるでしょう。

 au Flex Styleは、12回、24回、36回、48回の“フレックス”な分割払いが可能。先に挙げたNothing Phone(4a)を48回払いにすると、1カ月あたりの支払いが1225円になり、携帯料金と合わせて無理なく支払える金額になります。

Nothing Phone(4a)は48回払いで1回1225円。無理なく払える

 SoftBank Free Styleは12回、24回、48回払いの選択が可能。こちらは、OPPOの「Find X9」を48回払いにした際には、1回あたりの支払いが3121円になります。10万円を超えると聞くと、購入を躊躇してしまうかもしれませんが、毎月3000円程度であれば余裕に感じる人も多いでしょう。負担感を抑えられるのは、魅力と言えます。

 ただし、分割払いについては、契約状況によって選択肢が変わってくるようです。試しにFind X9をカートに入れ、回線契約がない状態で本体のみを購入しようとしたところ、一括払いしか選択肢が表示されませんでした。逆に、手持ちのソフトバンク回線でログインしたところ、48回までの分割が選択できました。信用情報がまったくない単体購入では、割賦を組むのが難しいのかもしれません。

回線契約なしで申し込もうとしたところ、一括払いしか選択できなかった

 また、au Flex Styleについては、 分割払いを20万円の商品まで と定めています。そのため、Nothing Phone(4a)は割賦での支払いが可能な一方で、約30万円の「Find N6」は分割払いに非対応。本体価格は安くなっているものの、まとまって30万円が出ていくため、少々買いづらくなっています。

Find N6は20万円を超えているため、分割払いにできない(ただし、現在端末は品切れ中)

 金銭的以外の利点としては、 ショップでの販売 が挙げられます。au Flex Styleでは、Nothing Phone(4a)を直販店やau Styleの店舗で取り扱うとしています。Nothingにとっては、販路が一気に数百の単位で増えることになり、ユーザーにリーチしやすくなります。ユーザーにとっても、近所にあるauショップで購入できるのはメリットと言えるでしょう。

 大手キャリアの宣伝力も活用できるため、まだ名前が知られていないようなメーカーには、またとないチャンス。メジャーなスマホに飽きてしまった人が、 珍しい1台を見つける場 になる可能性もあります。サポートの窓口がメーカーになるなど、キャリアモデルとの違いがある点には注意が必要ですが、SIMフリースマホを購入したいと思った際には、キャリアが取り扱っていないかをチェックしておいてもいいでしょう。