終電:常につらかったです。友達もいなかったし、ずっとクラスで浮いていました。場面緘黙症という障害があって、家では喋れるのに学校では喋れなかったので、言いたいことがあっても言えないし、授業とか掃除の時間とかにクラスの子に伝えなきゃいけないこととかも言えなくて、常にストレスでした。でも私も不登校になるという選択肢がなかったので、絶対に通わなきゃいけないって思い込んで、頑張って通っていましたね。

◆メンタルを保つことが第一だから、我慢し続けられない

終電:oyumiさんの『愚かで悪いか』は、イラストと文章で赤裸々でリアルな気持ちが描かれていますよね。ファッションとかおしゃれなものへの関心の高さを表現しつつ、そういうおしゃれな界隈へのなじめなさとか、メンタルの不調とかも隠さずに同時に描くっていうのが珍しいな、面白いなと思いました。

 すごくわかるなと思ったのが、「美術館に行っても、半分くらい見ると膝の裏が疲れて帰りたくなる。でもかっこつけて我慢して絵の前で5分ぐらい立ったり、わざと二度見したりする」というくだりです。私も美術館に結構行くんですけど、やっぱり展示の半分ぐらいで疲れてしまう。夏とか足がつるんですよね。

oyumi:絵を二度見してる人を見ると、格好いいなと思って、真似しちゃいます(笑)。私の場合はそもそも、美術館に行くまでのハードルがものすごく高いというか、勇気がいります。まず午前中に起きられないから。例えば上野の美術館に行こうと思うと、自分の家から1時間ちょっとかかるんですけど、夕方の帰宅ラッシュの電車に絶対に乗りたくないので、16時までには見終わっていないといけない。でも12時に起きてから、まず「行くぞ」という心の準備を整えるのに2時間ぐらいかかるんです。そこから身支度して1時間ってやってると、15時になってしまって、もう出かけるのを諦めることが多いです。

終電:帰宅ラッシュが過ぎてから帰るという選択肢はないですか。

oyumi:私、夜の電車がちょっと怖くて、パニック障害が出そうになってしまうんです。夜の電車って酔っ払いが高確率でいるじゃないですか。私は狭い電車の中で、酔っ払いが視界に入るだけでだめなんですよ。昔はここまでじゃなかったんですけど。終電さんは満員電車とかは大丈夫なんですか?

終電:長時間だと単純に座れなくて疲れてしまいますけど、意外と人混みは大丈夫です。集団は苦手なんですけど、集団を形成してない単なる人混みは平気です。苦手なのは輪ですね。目的をもって集まる人の輪に入るのがしんどいです。

oyumi:私も輪は苦手です。輪に入れなかったとき、居場所の確保ができないことでつらくなるんですよね。人が大勢集まる飲み会とかパーティーに誘われて行くと、どうしたらいいかわからなくて孤立する。学生時代の、浮いててハブられているときの自分に戻ってしまいます。それに耐えきれなくなって途中離脱することもよくあります。

終電:私は「途中で帰る」というのが苦手で我慢してしまうので、oyumiさんみたいに嫌だから途中で帰る人を見るとかっこいいなって思います。先ほども話しましたが、私は子どもの頃から我慢するのが癖になっていて、それがストレスになって体にも出ているかもしれないので。

◆ストレスを感じないことが最優先

oyumi:私はメンタルが不安定なので、とにかく自分のメンタルを保つことが今は一番大事で、我慢し続けられないんです。これまでメンタルが崩れて重症化した人を何人も見てきたので、とにかくストレスを感じないことを一番にして行動して、仕事もその基準で選ぶしかない。今いる友達と対等に接してたいんですよ。でも重くなると対等に接するのが難しくなっちゃうんで、そうならないように必死で心を守ってる感じです。