青学大女子駅伝チーム「真のライバルは女子ゴルフ界に」原監督の新たな挑戦、1期生2人加入
箱根駅伝3連覇中の青学大陸上部が4日、相模原市で女子駅伝チーム創設についての会見を行った。4月から1年生2人が加入し、新体制が既に始動。男子と兼任する原晋監督(59)は来年10月の全日本大学女子駅伝での初出場優勝をターゲットに設定した。活況の女子ゴルフ界を目標として、日本女子長距離界が盛り上がるような強化、施策を行っていく。
大学駅伝界で栄華を極める原監督が、新メソッド構築に意欲を見せた。まだ部員は2人。来年10月の全日本大学女子駅伝での初出場優勝がターゲットとなるが、ライバルは強豪校にとどまらなかった。「確かに強豪校の城西大、大東文化大、立命館大、名城大は当然ライバル」としながらも「真のライバルは女子ゴルフ界にある」と高らかに宣言。女子陸上界全体として目指すべき方向性を示した。
原監督が青学大を指揮し始めた04年ごろから、女子ゴルフ界は大きな変革を遂げた。宮里藍、横峯さくらがけん引し「2人の頑張りで華やかな世界になった」と指揮官。女子ツアーの試合数が増え、賞金総額も1試合平均2倍に上がったことなどを指摘した。
一方で女子長距離界では、草の根である高校世代の主軸種目3000メートルは20年以上も高校日本記録が破られず、全国高校駅伝の都道府県予選出場の単独チーム数は直近10年で約4割も減少した。「記録も伸びず、競技人口も減っている。指導者の雇用も失われ、チーム自体も減り、大会もなくなる」と強い危機感を示した。
原式の女性アスリート育成の根幹を成すのが「自立を促す」ことだ。「今までの女子の強化でよく耳にするのは(有力選手に)練習パートナーやサポートをつけることが“あるある”。(新入部員の)2人には、そんなぬるっちょいことはしないよと言った」。女子部員も名門の男子と同じ環境で練習や食事などの活動を共にし、相乗効果を促していく。
「女性が輝かしく、自分らしく走れる環境を整えることで、結果として記録も伸び、競技人口も増える。そういう構造を大学女子駅伝界でつくっていきたい」。箱根の名伯楽の新たな挑戦が始まった。
《1期生芦田&池野ワクワク》1期生は、芦田和佳(立命館宇治高出)と池野絵莉(須磨学園高出)の2人。全国高校総体3000メートルで日本人ワンツーの3、4位に輝いている。芦田は「監督に声をかけていただきうれしかった。結果を残している男子と一緒に練習するのが楽しみ」と語り、池野も「監督と話して凄くワクワクした。絶対強くなれると思った」と決め手を口にした。当面はインカレや都道府県対抗女子駅伝など個人での活躍を目指す。来年以降はスポーツ推薦などで4人の加入を想定。原監督は「少数精鋭で勝負していく。10名をマックスとし組織化させていきたい」と話した。
▽大学女子駅伝の現状 6区間で争う10月の全日本大学女子駅伝、7区間の12月の富士山女子駅伝(全日本大学女子選抜駅伝)、男女3区ずつで2月に行われる全国大学対校男女混合駅伝がある。女子では有力選手が高卒で実業団入りするケースが多い一方、拓大卒の不破聖衣来(現三井住友海上)、名城大卒の山本有真(現積水化学)ら大学で実力を伸ばした選手も多い。青学大は27年10月の全日本大学女子駅伝、28年2月の混合駅伝、28年12月の富士山女子駅伝での初出場優勝が目標。
