サイゼは“肉無しピザ”がマスト、唐揚げじゃない日高屋の“正解”…料理家リュウジが愛する「必食の外食チェーンメニュー」8選
高級店からチェーン店、家庭の味まで食の両極を知り尽くす料理研究家のリュウジ氏。前編記事【初デートにサイゼリヤは「超アリ!ただし…」 料理研究家リュウジが導くサイゼ論争の“答え”】では、ネットを騒がせる「サイゼ論争」の本質がコミュニケーション不足にあることを分析してくれた。続く後編では、彼がプライベートでも愛してやまない「推しチェーン」の具体的な攻略法と、独自の食の楽しみ方を語ってもらう。
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さて、リュウジ氏の“イチオシ”ファミレスは一体どこなのか。
「サイゼリヤにガスト、吉野家にバーミヤン、しゃぶ葉……。あちこちいろいろ行きますが、ボクにとってはどれもイチオシなんです。各店、それぞれに戦い方や武器が違う。だからこそ、どこに行っても楽しいんですよ」

以下は、そのうえで推す店名とメニューである。
サイゼリヤで味わう「本場」の味
リュウジ氏が“絶対に外せない”と熱く語るのが、サイゼリヤの『野菜ときのこのピザ』(400円、税込以下同)だ。
「にんにくと玉ねぎ、パセリなどの野菜のソースに、缶詰か冷凍のきのこが乗っているんですけど、それがめっちゃうまいんです! 本場はもちろん、日本中のいろいろなピッツェリアを訪れているボクから見ても、このピザは別次元のおいしさです」
世間には「チェーン店なんて……」と冷ややかな目を向ける層も一定数存在するが、リュウジ氏はその比較の対象の間違いを指摘する。
「サイゼリヤのパスタやピザをおいしくないっていう人がいるんですけど、あのピザと格式あるピザを比べること自体がナンセンス。薄いクラッカーのような生地に、チープなチーズと香り高いソース、水煮っぽいきのこ……あのコントラストが本当に最高。肉も乗ってないのにあんなにうまいなんて食べるしかない」
おいしさと価格が比例しない最たる例だと大絶賛だ。
「さらにもう1品。デザートの『ティラミス クラシコ』(300円)は、イタリアから空輸している本格派。“本場のティラミスが食べてみたいならサイゼに行け”、っていうほど衝撃のおいしさですね」
日高屋に隠れた「最強おつまみ」
関東を中心に展開する「日高屋」では、意外な伏兵を推す。『コリ旨!砂肝』(210円)だ。
「この間、新宿で友達に約束をすっぽかされて一人で飲みに入ったんですけど、この砂肝が異常にうまくて。どういう加工をしているのか不明なんですが、たぶんタレに漬け込んだ砂肝を素揚げ、あるいは薄衣をつけて揚げていて、柔らかいのにポリッとした食感がある。日高屋というと唐揚げを頼む人が多いけれど、正解は圧倒的に砂肝です!」
さらに、数あるメイン料理の中から選ばれた逸品がこちらだ。
「ひとつは『バクダン炒め』(600円)。ピリ辛で野菜がたっぷり入っているので、ちょっと健康を意識したい人にもオススメです。もう一品は、『野菜たっぷりタンメン』(620円)。これはつまみにもなる絶妙なピリ辛味が特徴で、下手な中華屋さんより断然おいしい。このあたりはチェーン店の域を超えていますね」
さらに酒好きへのアドバイスとして、紹興酒を炭酸で割った「ドラゴンハイボール」(330円)と、この砂肝を合わせるのが最高、と教えてくれた。
「普通のハイボールよりちょっぴりアルコール度数が控えめなので、長く飲める(笑)。これも呑兵衛には嬉しいポイントです」
どんな店も「自分次第」で最高の一軒に
チェーン店飲みも得意とするリュウジ氏だが、さらなるコスパの極致として、立ち飲みチェーン「晩杯屋(ばんぱいや)」の『レバフライ』を絶賛する。
「このレバカツが大好きすぎて、それ目当てで通うくらい。ボクの中ではもはや、晩杯屋はレバカツ屋さんですね。しかも値段がすごいんです」
揚げたてレバーがなんと1皿190円。もともとレバカツが好物のリュウジ氏のお墨付きとあらばこちらも食べてみたい。
「ほか、激安居酒屋チェーンでは『新時代』の『伝串』。伝串は新時代名物の鶏皮串なんですが、これまた1本55円……。最近、『鳥貴族』の値段が高くなっちゃったので、新時代をわりと鶏皮屋さんとして認識していますね(笑)」
動画でも
上記の7品以外にも、多くのメニューを愛するリュウジ氏。自身のYouTubeチャンネルでも、さまざまなチェーン店、ファミレスを「居酒屋」として楽しむ動画を配信している。
ガストについては「ガストで育ったようなもん」と語るほど、幼少期からの付き合いだという。そんな「ガスト通」の彼が、最近の進化に驚き、動画内で思わず「優勝!」と叫んだのが、『ちょいピザマヨコーン』(384円〜494円)だ。カリカリの生地と、マヨとトマトソースが調和していて驚くほどのおいしさだという。
さらに、ひと口頬張るや「底力が半端ない」と驚愕したのが『焼きたて明太トースト(2個)』(340〜395円)。こうした馴染みのあるメニューが、常にアップデートされていることへのリスペクトを語っている。
また、彼が「飲めるチェーン店ランキング1位タイ」と太鼓判を押すのがバーミヤンだ。メインのイチオシは、唐辛子がしっかりきいて辛い「本格四川風麻婆豆腐」(659円)。さらに、痺れる辛さの花椒を合わせるとよりおいしさがアップするという。
また、バーミヤンは甘味も絶品。デザートの『はちみつ揚げパンバニラアイス添え』(384円)についても「今日イチのうまさ!」と感動しきりだった。
多くの人は「今日はバーミヤンでいっか」と消去法でファミレスを選びがちだが、リュウジ氏のスタンスは正反対。
「正面からその店のメニューと向き合えば、『バーミヤンがいい!』という積極的な選択に変わるはずです」
どこに行っても、どんな価格帯でも、その場にある「正解」を見つけ出し、徹底的に楽しむ――。それがリュウジ流の食との向き合い方なのだろう。
「『いくら払ったか』は、必ずしもその料理の満足度とは関係ない。日々通って見つけた『好きなもの』『おいしいもの』を共有して、相手も楽しんでくれたら、それでいいんじゃないですかね」
「どこへ行くか」より「どう楽しむか」。そして、それを言葉にしてどう伝えるか。不毛なネット論争よりも、目の前の相手と一皿のピザをおいしく味わう。それこそが、食と人との一番幸せな関係なのかもしれない。
リュウジ■料理研究家。1986年、千葉市生まれ。XやYouTubeで日々更新する料理動画やレシピが、「簡単に爆速で美味しく作れる」と大人気。YouTubeチャンネル「料理研究家リュウジのバズレシピ」の登録者数は550万人、SNSを含めた総フォロワー数は1120万人を超える。2020年、『ひと口で人間をダメにするウマさ!リュウジ式悪魔のレシピ』(ライツ社)で「第7回料理レシピ本大賞」を受賞。22年には、定番料理100品のレシピを集めた『リュウジ式至高のレシピ』(ライツ社)で「第9回料理レシピ本大賞」を受賞し、2度目の栄誉に輝く。「料理のお兄さん」として自炊の楽しさを広めようと、多方面で活躍している。
取材・文/荒木睦美
デイリー新潮編集部
