横浜FMでプロ1年目から主力としてプレーする諏訪間。彼の父はプロレスラーだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大 (全2枚)

 横浜F・マリノスで今季、プロ1年目から瞬く間にスタメンの座を手にし、将来有望な若手として注目を集めるDF諏訪間幸成。彼の父は、全日本プロレスの非常勤取締役を務めるプロレスラーの『諏訪魔』だ。

 横浜F・マリノスアカデミー出身の幸成は、今年3月に筑波大蹴球部を退部し、クラブとプロ契約。186センチ・85キロ。父親譲りのがっしりとした体格、当たり負けしないフィジカルを武器に、CBとして先発出場を続け、堂々のパフォーマンスを披露している。

 リングで戦うファイターの父の下、どのように“有望株”のJリーガーへと成長を遂げてきたのか。諏訪魔さんに愛息のこれまでを訊いた。

――◆――◆――

保育園の時に、レスリングやらせてみたんだよ。幼児の期間に妹と2人兄弟で。そうしたら、すぐ勝てる世界じゃないから負けてさ。泣いていたイメージがありますよ」

“幸せに成ってほしい”。そう想いを込めて名付けた幸成が、最初に出会ったスポーツはレスリングだった。2兄弟の妹とともに、父もかつて取り組んでいた格闘技を幼少期に始めた。

「(やらせるのは)どんなスポーツでも良かった。ただ、レスリングをやっておくと、柔軟性がついたり、マット運動ができるようになるから。だからちょっとやらせてみたいな、というのはあって」
 
 しかし、その後に水泳をしていた時期もあったが、最終的に小学生になって選んだのはサッカー。なぜなのか、父にもそれは分からないという。ただ、地元の神奈川県藤沢市にある少年サッカーチーム・FC六会湘南台に入れてみると、どんどんサッカーにのめり込んでいった。

「(レスリングで)多分、試合に負けたのもあると思うんだけど、宣言してたね。小学生で『俺、サッカーやりたいんだ』って。なんでサッカーなんだよ、大変だぞって。

 基本は本人のやりたいことをやらせる方針ではいるんですけど、少年サッカーって、嫁さんがお茶くみとかで大変なんです。俺は巡業を回っていたし、子どもの試合にはなかなか行けなくて。やれるのかって嫁さんに聞きましたから。無理だろという話もしたんですけど、私はやれるって言うもんだから、やらせてみたんです」
【画像】ゲームを華やかに彩るJクラブ“チアリーダー”を一挙紹介!
 試合があれば、基本的に母がついて行ってサポート。父はプロレスの練習など、仕事が忙しく息子のサッカーを見に行く機会は多くなかった。そんななかで、祖父母の存在が幸成とって大きかったと父は話す。

「俺の家は横が実家なんです。同じ敷地の中で、隣に親父とおふくろが住んでいる。嫁さんが忙しい時に、(幸成の)面倒見てくれるのが俺の親だった。もう親が子供の追っかけみたいになっちゃって。絶対上手くさせるんだって。それは俺に対してもそうだったので、うちの親は孫にまで本気でやっていました。

 すごいエネルギーなんですよ。うちの嫁さんは控えめなので、そんなガンガンいくタイプじゃないんだけど、うちの母ちゃんはものすごく強烈だから。もう大阪のおばちゃんみたいな(笑)。

 親父も孫の運動を見るのが大好きみたいで。何度もサッカーを見に行っていた。(幸成
は)恵まれていたと思う。あれだけ愛情を注がれていたというのは」
 
 また現在、Jリーグでも見劣りしない大きな体格に育ったのも、祖父母の影響があった。

「(祖父母が)とにかく食わせてくれるんでね。俺も食わすけど、とにかく食に対してものすごくこだわりがあって、基本はデカくならなきゃ駄目だからね。

 とにかく食わせるんですよ、うちの親が。幼少期はたぶん、俺の母親がいっぱい食わせたと思う。自分もレスリングのナショナルチームで食の勉強や講習を受けていたから、絶対に大事だとは思う。だから、とにかく子供の飯は肉、魚とかバランスを心がけて、とにかく食えって。そういうのはやっていましたね」

 家族の愛を一身に受けて屈強なプレーヤーに成長し、日本最高峰のリーグで活躍する幸成。それでも父は、「俺から見たらまだ細いんですけどね。俺は太い人ばかり見て育っているから」とさらなるパワーアップを期待していた。

取材・構成●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)