〈ドジャース決定〉”ガラスのエース”佐々木朗希の心配な体力面「メジャーの過酷日程」にも球界OBが太鼓判の理由

注目されていたロッテ・佐々木朗希(23)のメジャー移籍球団がついに決まった。“令和の怪物”が選んだのは、大谷翔平や山本由伸の所属する昨季のワールドチャンピオン、ロサンゼルス・ドジャース。果たして期待どおりの活躍を見せられるか。あの球界OBに話を聞いた。
【画像】辛口の球界OBからもエール「彼は延長12回194球を投げ切った過去をみんな忘れてる」
ドジャース入団は出来レースだったのか
当初はメジャー20球団以上が獲得競争に参戦し、最終的にドジャース、パドレス、ブルージェイズの3球団のいずれかに絞られたと報道されていた佐々木朗希の移籍先。結局、“本命”ドジャースとのマイナー契約となったわけだが、この決断を「予想どおり」と話すのは某スポーツ紙記者だ。
また、ドジャースのエース、タイラー・グラスノーは同じ代理人という縁から佐々木と直接電話で『ドジャースは最高の投手になるのにピッタリな場所』と勧誘したそうです。
投手層の厚いドジャースなら佐々木の負担も軽減されるし、何よりも同球団は生きた教科書だらけで彼の成長の手助けになってくれる。上昇志向の強い佐々木にとって、ドジャース入団は必然の選択だったと言えるのでは」
ドジャースは昨年11月にサイ・ヤング賞を二度獲得したブレイク・スネルとも5年総額1億8200万ドル(約277億円)で契約している。大谷、山本、佐々木、グラスノー、スネルなどの超強力先発陣について米メディアは「MLB史上最強の先発ローテを目の当たりにする」と報じている。
このように日本だけでなく、現地の報道も過熱しているが、佐々木は本当に期待どおりの活躍を見せられるのか。球界のご意見番である“エモやん”こと江本孟紀氏は、佐々木のメジャー1年目についてこう予想する。
「彼は何といっても球が速い。1イニングのリリーフピッチャーではなく、先発であれだけ速い球を投げて、9回まで球が衰えない投手は少ない。あれだけの球を放れて素質のあるピッチャーは、今のご時世、お金が稼げるんだからメジャーに行くのは当たり前。活躍するかどうか? それはアメリカの話だから知ったこっちゃないけど(笑)、行くからにはがんばってほしいね」
「体力面は心配なし」
ロッテ時代は中10日以上での登板など、大事に扱われていた佐々木だけに、「メジャーの過酷な日程に耐えられるのか」というファンの不安もある。
「みんな忘れてるけど、彼は高3の県予選4回戦(対盛岡四高)で、延長12回194球を投げ切ってるんだから、体力面で心配することはないですよ。
わからないけど、ロッテ時代は球数制限や登板間隔について契約があったのかもしれないね。
それにメジャーは使い捨ての世界だけど、最近はいかに働かずに金を稼ぐかって雰囲気になってる。そこにうまくハマれば、けっこうやれるんじゃないか」(江本氏)
一方、同じくメジャー移籍を目指していた阪神の青柳晃洋(31)もフィリーズとのマイナー契約を結んだ。これについて同じく阪神OBの江本氏は……?
「彼のような変則ピッチャーは向こうにはたくさんいるから、通用するかどうかはわからない。でも、佐々木と同じように、行く以上は日本の野球のレベルの高さを見せてほしい」
そして、江本氏はこうも言って、浮かれる野球ファンとマスコミにくぎを刺す。
「やっぱり日本のいい選手がどんどんアメリカに行ってしまうのは、日本球界の先々を考えたら不安になるよ。
今回の佐々木のメジャー移籍は、契約上の問題でいろいろ物議を醸したんだから、これを機にNPBはしっかりとルール作りをしてほしいね」
佐々木本人はインスタグラムで「とても難しい決断でしたが、野球人生を終えて後で振り返ったときに、正しい決断だったと思えるよう頑張ります」と綴っている。賛否両論が巻き起こる佐々木の決断は、彼の野球人生と世界の野球界にどのような結果をもたらすのか。今後も注目だ。
取材・文/集英社オンライン編集部