【漢字トリビア】「次」の成り立ち物語
「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」。今回の漢字は「次」、「次回」「次席」の「次(じ)」とも読む漢字です。八月七日は「立秋」。暦はもう、次の季節へ進んでいきます。

「にすい」と呼ぶ部首に「欠ける・欠(ケツ)」と書く「次」という漢字。
その成り立ちについては諸説ありますが、最も一般的なのは「欠」という字を、口をひらいて立つ人を横から見た形を描いたもの、と解釈する説。
「欠ける」に「伸びをする」と書く「あくび(欠伸)」という熟語もあります。
「にすい」は、その人が吐き出している息の様子を描いたもの。
そこから「次」という字は、人が何ごとかに不足を感じて息をもらす様子を示し、「十分ではない」と思う気持ちから、「次の位」「二番目」という意味をもつようになったといいます。
そこから、のちに順序や回数を表すようになりました。
また、「欠」という字の古い字体(缺)は、土器が欠けている様子を表しているという説があります。
そこに漢数字の「二」としての「にすい」を添えて、「二に欠ける」「正式ではない」「仮の」という意味をもつともいわれています。
「次」という字の成り立ちには、こんな解釈もあります。
「欠」という字は、人がひと息ついているさま。
そこで、人が止まって休む様子、「やどる」「宿場」といった意味で用いるのです。
それが、“東海道五十三次”などで使われる「次」。
千六百年、天下統一を果たした徳川家康は、全国の街道整備にのりだします。
彼は街道沿いに宿場を設け、移動のために使う人足や馬を提供させる制度をつくります。
輸送の範囲は原則として次の宿場まで。
人足と馬もそこで交替、つまり「継ぎ替え」をします。
それが、宿場を「次」と呼ぶようになった由縁ともいわれています。
ではここで、もう一度「次」という字を感じてみてください。
でも、ものは考えよう。
この漢字で示されている人が嘆きのため息をついているのではなく、深呼吸をしながら心身を整えようとしているのだとすれば、意味あいも少し変わってきます。
今日がうまくいかなくても、明日は次の道を歩きだせばいい。
ここに居るのは自分らしくないと感じるなら、次の居場所を探せばいい。
厳しい暑さの中にもふとしたひとときに、次の季節の気配を見つけて、ほっとひと息することもある。
自分次第で、次の扉が開かれるのです。
漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。
その想いを受けとって、感じてみたら……、
ほら、今日一日が違って見えるはず。
*参考文献
『常用字解 第二版』(白川静/著 平凡社)
『新選漢和辞典 第八版』(小林信明/編著 小学館)
関東地方整備局 横浜国道事務所ホームページ(http://www.ktr.mlit.go.jp/yokohama/)
8月11日(土)の放送では「滝」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。
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<番組概要>
番組名:感じて、漢字の世界
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜7:20〜7:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
パーソナリティ:山根基世
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/


