中国リーグが来季からビデオ判定導入へ 横行するラフプレーの抑止力として期待

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アジアで先陣を切ってVAR採用を決断

 中国サッカー協会が、来年からリーグ戦でビデオ・アシスタントレフェリー制度(VAR)を導入することを発表した。

 中国リーグは各クラブが潤沢な資金を元手に欧州リーグに所属する一流選手たちを買い漁ることで良くも悪くも存在感を発揮してきた。今季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)でも、浦和レッズと対戦した上海上港のブラジル代表FWフッキや同MFオスカル、鹿島アントラーズと対戦した当時に広州恒大に所属していたブラジル代表MFパウリーニョなどが、日本勢に脅威を与えてきた。

 その一方で、資金の投資先は選手たちだけではなくなった模様だ。来季からリーグ戦でのVARの導入を発表。中国リーグではラフプレーが横行してレッドカードが提示される場面が多く見られるが、VARの導入がそうした行為の抑止力になると期待されているようだ。

 また、レフェリーのレベル向上のために専門学校も開校されるという。日本でも2003年に日本サッカー協会がレフェリーカレッジを立ち上げ、多くの卒業生がJリーグや国際舞台で審判を務めているが、中国もそうした教育に力を入れるようだ。

 将来的にはACLなどでの導入も予想されるVARは、欧州遠征のブラジル戦で日本代表DF吉田麻也(サウサンプトン)がPKを献上するなど、導入された試合での判定への慣れが必要なことが指摘されている。日本では国内カップ戦などで追加副審が導入される試合こそあるものの、リーグ戦での本格導入には至らず、VARも採用されていない。そうしたなかで、アジアでは中国が先陣を切って導入することになった。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images