『未来のムスコ』©TBSスパークル/TBS

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「また、未来の明日で」

 未来(志田未来)の夫になる“まーくん”の正体がついに明らかになった『未来のムスコ』(TBS系)第9話。颯太(天野優)が未来の両親を結びつけ、元の世界に戻っていく。

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 2026年の大晦日。肝心の“まーくん”が見つからないまま、颯太が未来に帰る日まであと10日となった。未来の心を不安と寂しさが同時に襲う中、優太(小瀧望)がいつになくワイルドな風貌で家を訪ねてくる。

 未来の“まーくん”になるべく、優しいだけの自分から卒業するつもりだった優太。だが、結果的にその場では何も伝えられなかった。未来の母・直美(神野三鈴)と兄・哲也(古舘佑太郎)と鉢合わせしてしまったのもあるが、理由はそれだけじゃない。優太は未来の心を占めている "誰か”に気づいてしまったのではないだろうか。

 その“誰か”とは、将生(塩野瑛久)のこと。付き合っている頃によく行っていたラーメン屋を2人で訪れて以来、未来はことあるごとに将生の顔を思い浮かべていた。はじめから“まーくん”候補の中で「将生だけは絶対にない」と思っていた未来。それは将生に何か問題があるというよりは、将生といるときの自分が嫌だったからではないか。

 未来と将生は周りから見ると理想的な関係だ。本音でぶつかり合えて、なんだかんだ言いながらもお互いを支え合っている。未来が映画のオーディションに参加できるようにしてくれたのも将生だった。将生が劇団を続けてこられたのも、常に場を明るくしてくれる未来の存在が大きいのだろう。

 でも、それだけお互いを大事に思っているのに素直になれず、口を衝いて出るのはいつも真逆の言葉。優太が言うように「何でも言えるのに、何でも言い合えない」のが未来と将生の距離感だ。そして街が変わって、思い出のラーメン屋も閉店することが決まっても、その距離は変わらないまま、今になってしまった。そんな2人の架け橋になってくれたのが、颯太だ。

「だんない、喧嘩してもごめんねって言えばいいんだよ。本当の気持ちはちゃんと伝えないとダメなんだよ」

 どれも未来と将生自身が颯太に教えてきたことだ。「だんない」は心が波立ったときの魔法の言葉。自分の心を落ち着かせたら、自ずと何をすべきかが見えてくる。やりたいことがあるなら、伝えたい言葉があるなら、あとは実行に移すだけ。10年前に言えなかった「ごめんね」と、今改めて思う「大好き」を素直に伝え合って、ようやく結ばれた未来と将生。2人がなぜ未来で喧嘩し、離れてしまったのかは分からない。けれど、伝えることの大切さを知った2人なら、もうきっと大丈夫だろう。

 もちろん、優太の功績も忘れてはならない。「未来のことが好きだった」と中学生の頃に伝えきれなかった思いを過去形で伝え、未来の背中を押し、将生のこともさりげなく焚き付けた優太。いつだって誰にも気づかれないところでみんなを見守り、そっと幸せを届けてくれる彼は、“四つ葉のクローバー”みたいな人だなと思う。

 優太はもちろんのこと、未来は颯太と出会ってからいろんな人に支えられてきた。いや、本当は颯太と出会う前から、未来はずっと支えられていたのだ。沙織(西野七瀬)が自分を尊敬してくれていたことも、真(兵頭巧海)が自分に恋心を寄せてくれていたことも、颯太が未来からきてくれたから気づけたこと。未来は何もかも中途半端な自分が惨めで恥ずかしいと言っていたけれど、とんでもない。未来が未来だったからこそ、みんなも全力で応援してきてくれたのだ。

 そのことに気づけたから、未来は自信が持てたのではないか。颯太と出会った頃はまだ自分の未来なんて見えなくて不安だったけど、今なら勇気を持って前に進んでいける。ついにやってきた1月9日。帰りたくないと泣く颯太に、未来は「だんない、だんない。ちゃんと向こうでママとまーくんが颯太のことを待ってるよ」と伝えた。

 しかし、颯太が未来に帰って5年後の2032年。未来と将生のそばに、もうとっくに生まれているはずの颯太はいなかった。なぜ、颯太は生まれてこなかったのか。可能性としては一つある。颯太が2036年からタイムスリップしてきたとき、未来は自分の夢に限界を感じていた。だが、颯太と出会ったことで否応なく未来の自分を想像し、夢を諦めたくないと改めて感じたのだ。その後、未来は劇団の公演の主演を務め、映画にも出演することができた。

 本来なら夢を諦め、将生と結婚して颯太を産むはずが、俳優になるという夢が叶ったことで颯太は生まれなかったのかもしれない。あるいは考えたくないが、“まーくん”が将生ではなかったか。いずれにせよ、未来と颯太がまた必ず会えると思っていただけにショックは大きい。再会の時期が少しズレただけと思いたいが……果たして。最終回では、奇跡が起きることを願っている。