今週のテーマは「初デートで男が幻滅した女の言動は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:高級鮨店のカウンター席デート。雨の日に30歳女が犯してしまった、NG行動とは




沙耶香との初デート。僕はさっきから、何度もため息を押し殺す。

― ダメだ、ここはちゃんとしないと。

そう思い、日本酒をクイっと飲み干す。

初対面の時に、可愛いと思って結構気に入った沙耶香。しかし今日、二人きりでのデートで、「この子は違う」と思ってしまった。

西麻布の鮨店のカウンター席で、一生懸命楽しそうに話している沙耶香。

しかし一度冷めてしまうと、残念ながら男の心は動かない。

とりあえず楽しもうと決めて2軒目まで行ったものの、その先に進む気はまったくせず、結局この日限りで終わってしまった。

どんなに可愛い子でも、一気に冷める行動がある。それは何かと言うと…。


A1:可愛いなと思ったから。


沙耶香と出会ったのは、知人が呼んでくれた食事会だった。

ちょうど彼女もいなかったし、「誰か良い子がいればいいな〜」くらいの軽い感覚で参加した僕。

食事会は六本木にある中華屋の個室で開催され、沙耶香を除くメンバーは各々席に着いて勝手に話したりしていた。




そんな中、沙耶香は遅れてやってきたが、彼女が登場した途端に、僕のテンションは一気に上がった。

― 可愛い!

小柄で可愛らしくて目がくりんとしている沙耶香は小動物のようで、僕のタイプだったから。

だから沙耶香が到着した瞬間から、僕は一生懸命盛り上げる。

「すみません、遅くなりました…」
「沙耶香ちゃん、待ってたよ!」
「え?どこかでお会いしたことありましたっけ…?」
「いや、初めましてだよ(笑)。麻衣子ちゃんから、沙耶香ちゃんの話を今ちょうど聞いていたところ。仲良しなんだね」

麻衣子とは、女性側の幹事のことだ。特に話していたわけではないけれど、多少盛ることも必要だろう。

「そうなんです、麻衣子とは仲が良くて。じゃあ…お隣、失礼します」
「何飲む?」

こうして、僕はちゃっかり沙耶香の隣の席をゲットし、楽しく会話を続ける。




食事をしながら話していると、必然的にお互いの仕事の話にもなる。

「え!すごい。アパレル会社の社長さんなんですか?」

一応、ある程度名の知れたアパレル会社を経営している。けれども、そんなことはどうでもいい。

「全然すごくないよ。普通だよ。沙耶香ちゃんは?何をしているの?」
「私はコスメ系の会社で働いています」
「そうなんだ。コスメ詳しくないからわからないけど…どんなコスメ?」

しかしこの初対面で、僕はテンションが上がっていて気がついていなかっただけなのかもしれない。

隣で翔平という僕の先輩と話している沙耶香。

「翔平さんは、何系の会社をされているんですか?」
「僕は飲食だよ。でもこの中でも一番稼いでいるのは、崇だから」
「え〜そうなんですか♡?」

話している内容も聞こえていたけれど、これもなんでもいいと思っていた。

だから解散後、僕はすぐに沙耶香をデートに誘ってみた。

しかし初めて二人で食事へ行ったはずなのに、それが最初で最後となってしまうことになるとは、僕も思ってもいなかった…。


A2:高級鮨店に、遅刻はダメ。


初デートは、僕が好きでよく行く西麻布の鮨店にした。落ち着いたカウンター席に、シックな内装。そして良い値段がするだけあって、クオリティも良い。

そんな店でのデート、僕はもちろん楽しみにしていた。

しかし当日。待てど暮らせど、沙耶香が来ない。

「大将、すみません。ちょっと連れの子が遅れてくるみたいで…」

カウンター席でひとり、ひたすら大将に平謝りをする僕。

しかもこの店は一斉スタートのため、他はもう始まっている。それに対する申し訳なさを一心感じつつ、どんどん肩身が狭くなっていく。

「大将、本当にすみません」

何度も通っている行きつけの店だったからかろうじて許してもらえたものの、これが初めて行くような、予約の取れない店などだったら、もう二度と予約は取れないだろう。

僕だって忙しいなか予定を合わせて、この場に来ている。10分以上が経つと、さすがに「これは許容範囲なのか?」と思い始めた。

結局沙耶香が到着したのは、約束の時間から15分以上過ぎた後だった。




「すみません!!タクシーが、本当に捕まらなくて…」
「金曜の、しかも雨の日だもんね。タクシー捕まって良かったね」

金曜で、雨が降っていたらタクシーが捕まらないことくらい容易に想像できるはずだ。

しかも濡れた靴でずかずかと店へ上がってきた沙耶香を見て、わかりやすく、僕の中で一気に冷めていく。

「本当にすみません…」
「先に飲んでいたから大丈夫だよ。他の人たちはもうコースが始まっているから、早めに追いつかないとだけど…。じゃあ大将、始めて下さい」

こうして、ようやく始まったディナー。でももちろん、最初の印象に引っ張られるのでこちらとしてはまったく気分が盛り上がらない。

しかし当の本人はまったく気にしていない様子で、ケロッとしている。

「沙耶香ちゃんって、お家どこだっけ?」
「私は三宿です」
「そっか。普段はどの辺りで飲むの?」
「西麻布も多いですが…近所も多いですね。あとは渋谷とか?」
「渋谷か〜。僕、全然渋谷界隈詳しくないんだよね」
「意外に、良いお店も多いですよ!」
「最近そうらしいね。でもお店開拓って、意外に難しくて」

そんな話をしているうちに、いろいろな店の話にもなる。僕は食べることが好きなので、いろいろなお店へ行っている方だと思う。

行きつけの店の中には予約の取れない名店もあるし、グルメ通がこぞって通う人気店もある。

そんなお店に、食いついてきた沙耶香。

「え〜すごい!私、そのお店行ってみたくて…」
「行ったことある?」
「一度だけ連れて行ってもらったのですが、それ以降ないですね」

― だろうね。

心の中で、納得してしまった。




どんなに可愛くても、デートの最低限のマナーは守ってほしい。

雨が降っていて、タクシーが捕まらなかったのはたしかに不可抗力の要素もある。

しかし沙耶香はもう30歳になるのだし、少し考えればもっと早く行動するとか、それに見越した言動ができるはずだ。

ちなみに経営者は、意外に遅刻をしない人が多い。

もちろん、時と場合による。人によってはひどい遅刻魔の人もいるだろう。しかし遅刻は相手の時間を奪う行為だし、例えば大事なビジネスシーンで、遅刻をしてきた時点で一発アウト…なんてことはあり得る。

デートだって、同じこと。

人の時間を奪う行為は良くないし、「デートには、少し遅れて行け」なんて言われているかもしれないが、5分前とかに着いている女性を見ると、「ちゃんとしている子だな」と思い、逆に好印象になる。

たかが遅刻かもしれないけれど、意外に基本的で大事なことだ。何よりも、そんな事でチャンスを失うほうがもったいない。

遅刻はせめて10分まで。そして、こういうお店での遅刻は御法度だということくらい、常識である。

― 最低限のルールを守れない女性って、だらしない印象なんだよなぁ…。

そう思い、僕はこのデートで一気に冷めてしまい、僕から連絡することは無くなった。

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▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

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完璧なデートの動線だったはずなのに…?