新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって「社会的距離の確保」が叫ばれたことを受け、「在宅勤務」や「自宅学習」の需要が急速に拡大しています。しかし、COVID-19によるサプライチェーンの生産力低下などを受けて、アメリカとインドで「ノートPC不足」が問題となっています。

A Massive Laptop Shortage Has Hit the United States - ExtremeTech

https://www.extremetech.com/computing/314256-massive-laptop-shortage-united-states

Spike In Demand And China Trade War Make Laptops Disappear From Indian Market

https://www.outlookindia.com/website/story/india-news-india-expected-to-face-shortage-of-laptops-as-demand-soars/360283

COVID-19は飛まつ感染・接触感染によって拡大するため、社会的距離を確保することが流行を防ぐ上で重要です。日本では2020年4月から5月にかけての流行拡大期に多くの大学がオンライン授業に移行しており、7月においてもおよそ97%の大学がキャンパスを原則閉鎖し続けています。

小中高は再開したのにどうして?--オンライン授業が続く「大学生」たちの悲鳴 - CNET Japan

https://japan.cnet.com/article/35157711/

「1日あたり5万人」という日本よりもはるかに多くの感染者を出しているアメリカにおいては、より社会的距離が強く求められており、在宅勤務や自宅学習の需要は急速に拡大しています。しかし、そんなアメリカで在宅勤務や自宅学習に用いる「ノートPC不足」が問題となっています。DellやHP、Lenovoなどの大手PCメーカーが主張しているノートPCの合計不足台数は、およそ500万台に達しているとのこと。

このノートPC不足は、供給不足が原因です。多くのノートPCが中国で製造されていますが、COVID-19によって中国のサプライチェーンの一部が打撃を受けているそうです。さらに、アメリカの商務省が、ウイグル族に対する人権侵害や中国軍向けの資材調達に関与したとして、人工知能や顔認証技術を手がける中国企業などに禁輸措置を講じているため、アメリカに出荷できるノートPCには制限が課されている状態です。



同様の現象はインドでも生じています。インドにおいてもCOVID-19の拡大を受けて2020年5月から6月にノートPCの需要は急増しましたが、生産力の低下や中国との国境衝突によって生じた貿易摩擦によって、インド国内でノートPCを手に入れることが難しくなっています。

アメリカやインドでは学校の閉鎖が続いており、授業を受けるためにはPCが必須といえる状況です。これ以上ノートPCの不足が続いた場合にはノートPCの価格が高騰するという恐れがあり、デジタル・ディバイドがさらに広がる可能性があると指摘されています。