11月6日、『ユーキャン 新語・流行語大賞』にノミネートされた30語が発表された。

 今年は新元号「令和」のほか、消費税が10%になったことに関連した「軽減税率」「キャッシュレス/ポイント還元」なども選ばれた。

 また、エンターテインメントシーンからは映画『翔んで埼玉』、ドラマ『あな番(あなたの番です)』(日本テレビ系)、スマホゲーム『ドラクエウォーク』、小中学生の音楽ユニット・Foorinの『パプリカ』などがノミネート。

 池袋で起きた乗用車暴走事故を機にインターネット上で広まった「上級国民」「免許返納」のほか、ラグビーワールドカップの盛り上がりから「ジャッカル」「ONE TEAM」「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」「笑わない男」なども選ばれた。

 そのなかで、聞き慣れない「おむすびころりんクレーター」という言葉がノミネートされている。これは、惑星探査機・はやぶさ2が小惑星リュウグウに作ったクレーターの愛称。

 この言葉について、2002年から選考委員を務めているやくみつる氏が、『Live News it!』(フジテレビ系)の取材に「私がねじ込んだ」と答えている。

「これは私がねじ込んだんです。はやぶさ2の話題は偉業としてもてはやされたんですけど、その後の言葉が定着してない。ここに入れることによって、そういう言葉もあったんだねと認知してもらう効果もあるわけです」

 選考について、やく氏は「主催者側が30語の何倍もの数をピックアップする。それを7人の審査員が5段階で評価する」という。だが、審査員の「イチオシ」で入ることもあり、今回はやく氏の推挙で「おむすびころりんクレーター」がノミネートとなった。

 また、今年は吉本興業の騒動に関連する「闇営業」はあるものの、お笑い芸人のネタや決め台詞などが1つもなかった。チョコレートプラネットの「TT兄弟」も人気を呼んだが、やく氏は「(「TT兄弟」は)候補にもなかった。まだ『りんごちゃん』のほうが強かったです」と明かしていた。

 毎年、物議を醸す『新語・流行語大賞』。2015年12月1日に行われた表彰式で、やく氏は選考について「純粋に時代を反映した作業を楽しんでいるわけでございます」とコメント。

 だが、特に政治関連の言葉について「これはけしからん、あれはけしからんと主催者側におっしゃる方がいると伺いました」とクレームが来ることを明かしている。

「そういうのはややもすると圧力になったり、狂気にもなりかねない世知辛い世の中です。皆さんの中でわいわいやっていただくぶんにはけっこうなんですが、『直接持ってこないでね』と申し上げたい」と、過剰な苦情などは勘弁してほしいことを訴えていた。

 昨年は、平昌オリンピックで活躍した女子カーリングチームの「そだねー」が大賞に。今年はどの言葉が大賞になるだろうか。