ワンランク上のYouTube動画は音にもこだわっている! 外部マイクやPCMレコーダーの活用とは?

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スマートフォンの動画撮影は4Kに対応するなど驚くほど進化している。
だれでも手軽に高品位な動画が撮影できるようになり、YouTubeだけでなく、動画投稿サイトの人気はうなぎ登りだ。

動画を投稿したり、視聴したりしていて気づくのが、
人気YouTuberとの「映像」と「音質」の差だ。

もちろんチームを組んで毎日更新している人気YouTuberは専門のカメラマンや動画編集スタッフを揃えているケースもあるが、自分で撮影、編集し、アップしているYouTuberも多くいる。

そんな人気YouTuberが使用しているのは、どのような機材なのだろうか?

撮影の扱いやすさから、一般的なビデオカメラを使用している投稿者もいるが、ミラーレス一眼や一眼レフカメラを使って綺麗な映像を撮影している投稿者も多い。
特に自室など屋内で撮影するYouTuberの場合、撮影のセッティングや背景のボケ量など一度決めてしまえば良いだけなので、ミラーレス一眼などのデジタルカメラでも設定が手間になることもない。

デジタルカメラの場合、ビデオカメラより大きなイメージセンサーや様々な交換レンズが利用できるため、屋内など光量が少ない環境でも高画質で撮影できるというメリットもある。
しかし、デジタルカメラ内蔵のマイクはそれほど高音質であるとは言いがたい。

さらに、その内蔵マイクは、レンズのズーム操作やオートフォーカスの駆動音なまで拾ってしまうので、耳障りなノイズが常に聞こえてしまうなんてことも起こりかねない。

こうした問題を解決できるのが、外部マイクだ。

外部マイクは数千円で購入できる安いものから、数万円を超える高価なものまで多種多様だ。

例えば、指向性が強い細長のガンマイクは、
マイクが向いている方向の音を中心に集音するので、演者の音声収録に最適だ。


デジタルカメラのホットシューに取り付けるタイプのリニアPCMレコーダーTASCAM「DR-10SG」

スマートフォンやデジタルカメラに搭載されているのは無指向性のマイク。
こちらは、広い範囲の音を集音することができ、面倒なセッティングなしで、様々な音を集めることができるので扱いやすいという特徴を持つ。

一見メリットが多そうな無指向性マイクだが、様々な音を拾ってしまうため、演者の声だけではなく外音やノイズも取り込むことも多い。
つまり、視聴者にとっては聞きづらい動画となってしまうわけだ。

ワンランク上の音質の動画を目指すなら指向性マイクを使ってみるとよいだろう。

指向性マイクの使い方だが、注意したいのが自室での収録の場合だ。
演者とマイクの距離が離れてしまうと、声と部屋の残響音やノイズなど全ての音を拾って肝心の演者の声がぼやけてしまう。
そこで、演者とマイクの距離をできるだけ近づけるセッティングが必要となる。
このことを覚えておくと良いだろう。

理想を言えば、ハンドマイクやピンマイクの利用だ。
こうしたマイクなら、演者の声を中心に集音できるのでクリアで聴きやすい音になる。
ハンドマイクを使うYouTuberは少ないと思うので、パフォーマンスとして使うのも面白いのではないだろうか。

特に最近では、話題となった「ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)」と言う動画が1ジャンルを築いている。
「ASMR」は、聴覚を刺激して気持ちよさを味わうというもので、日常音を高音質で提供しているコンテンツだ。
紙を破く音、野菜を切る音、袋を丸める音など、普段耳にする生活音をクローズアップして集音することで、音の心地よさを演出する。

ASMRの視聴方法は、より近くそしてリアルに体験できるようにイヤホンやヘッドホンを利用するのが主流だ。
このイヤホンやヘッドホンでの視聴に合わせて録音する、「バイノーラル録音」という方法がある。
これは人間の耳の位置近くにマイクを設置して録音するという技法で、バイノーラルで録音された音は、耳で聞こえる定位を性格に再現できるため虫が頭上を飛んでいるようなリアルな音場を再現することができる。

ASMRをはじめとする、人の音声以外のリアルな音や音の広がりを録音するための機材は、左右の2つのマイクを使ったステレオ録音が可能な機材で集音する。バイノーラル録音も同じく、右耳・左耳の位置に取り付けた無指向性のマイクで録音することで、周囲の空間の音まで再現ができるのだ。

では、ステレオ録音するにはバイノーラル録音のように無指向性のマイクが向いているのかというと、これはまたケースバイケースなのだ。

例えば、楽器の生演奏を録音する場合は、
マイクの正面の楽器の音がメインとなる。マイクやカメラの後ろの音は不要となる。
また、演奏会や発表会などを録音する際には、ステージの音だけが録音できればよいことになる。

一方で、バイノーラル録音場合は耳元や頭上、前後など、音の定位を演出として使う場合にしようすると考えれば良いだろう。

こうした、前方で演奏される場面で利用されるのは異なる2つの向きの「AB型」もしくは「XY型」マイクだ。


TASCAMのPCMレコーダー「DR-07X」はAB型、XY型にマイクを切り替えることができる

AB型のマイクは、左右それぞれ外側を向いた2つのマイク。
前方の空間の広がりが集音できる。


左右のマイクが中央で交差するXY型

一方のXY型マイクは、2つのマイクが中央で重なるように配置されている。
左右の広がりと音の定位がハッキリとするメリットがある。
AB型より、より指向性が強いマイクであると考えると良いだろう。

このXY型のマイクは、近距離での集音でも音の定位がハッキリとする。
このためASMRなどでも、左右の音の変化とリアルな定位を再現することができるのである。

AB型、XY型のマイクは単体のマイクだけでなく、「ハンディーレコーダー」「PCMレコーダー」と呼ばれる小型の録音機材としても販売されている。
こうしたレコーダーは、CDクオリティーの音質(44KHz/16bit)のほかに、ハイレゾ(96KHz/24bit)での録音も可能なので、カメラとは別に音だけを録音して、後から編集ソフトで重ねるという使い方もされている。

もちろん、レコーダーからの出力をカメラに入力し、カメラ側で録音することも可能だが、ケーブルを介することで音のクオリティーが落ちてしまう。
したがって編集時の手間が一つ増えるが、リアルサウンドを目指すなら、カメラだけではなくこうしたレコーダーでの別録音もオススメしたいところだ。

たとえば、映像はスマートフォンで録画して、音声は外部マイクやレコーダーで録音した音を合わせるだけでも、動画の魅力はかなりアップする。

声が聴きづらい、何を話しているのかわからない。
こういった動画を視聴するのは、正直、興ざめする。

こうした動画での音声の問題を解決し、ワンランク上の動画制作をするために、外部マイクやPCMレコーダーの導入も検討してみてはどうだろうか。
執筆  mi2_303