KNB北日本放送

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富山市の人口が、県が今月発表した推計で、市町村合併後初めて40万人を割り込みました。少子高齢化が進む日本のなかで、人口の減少は全国の自治体が直面している課題です。富山市の今を取材しました。

先月。富山市呉羽地域の追分茶屋で行われた獅子舞です。

お囃子を担当するなかには、女の子の姿が多く見られます。かつては男性に限られていた獅子舞ですが、およそ10年前から女の子も参加できるようにしました。

地域の男性
「このままやったら男だけやったら(存続)できないということで、女性も入れた。それは成功しているのではと思う」

さらに祭りの稽古にも変化が…。

吉田記者
「何が書いてあるの?」
囃子の女の子
「獅子舞の動きと、うちら笛がわかりやすく…」

これまで口伝えだったお囃子。子どもたちにも演奏しやすいようおよそ30年前に楽譜に書き起こしました。

囃子の女の子
「便利だね」「ひとりでやるときは便利」「家で練習するときは便利」

譜面を作った男性は…。

楽譜を書いた男性
「暗譜でできないので、楽譜という形で作りました。やっぱり絶えたらだめなもので、女の子たちに囃子方の笛を中心として残していきたいということで、うれしいですね。残っているのが」

地域の子どもが少なくなる中、工夫を重ねて祭りを伝えようとしています。

吉田記者
「お祭り、この先も続いてほしい人?」
子どもたち
「はいはいはい!」
「絶対、続いてほしいよ」
「ぜひあなたもやってほしいです」

県によりますと、富山市の人口は、先月1日時点の推計で39万9344人。市町村合併で今の富山市になった2005年以降で初めて40万人を下回りました。

合併当時からの比較では、婦中地域以外のすべての地域で人口が減っています。

「まちなか居住」を掲げ、路面電車を軸にコンパクトなまちづくりを進めてきた富山市。市街地にはマンションも増え、街の姿も変化しました。

一方で、旧富山市以外の地域との差はなかなか埋まりません。

富山市、旧山田村地域。かつて90年代、希望する全世帯にパソコンを配りインターネットの普及を進め「電脳村」と呼ばれたこの地域も、現在は、市町村合併当時のおよそ6割まで人口が減りました。

来年3月には、地域で唯一の中学校の閉校が決まっています。

富山市山田地域自治振興会 山田憲彰会長
「ほんとはたくさん子どもさんがおって、にぎやかなのがいいなと思うんですけども(子どもたちの)将来のことを考えると苦渋の判断かなと、決断かなと」

少子化と高齢化。山田地域の人口構成比率は、14歳以下の子どもが7パーセント、対して65歳以上は45パーセントとなっています。

富山市山田地域自治振興会 山田憲彰会長
「どんどん高齢者が増えていくと地域の交流も薄れていく、そうするとほんとに地域が崩壊してくんじゃないかなと、一番恐れていることですね」

人口減少は、自治体にとっても税収減など、財政面でも大きな課題です。

藤井市長は、中心市街地の政策効果を山田地域など郊外にも波及させ、市全体の均衡ある発展を目指すとしています。

藤井市長
「特に農村地域だとか中山間地域、沿岸部においては政策的にしっかり取り組まないと、人口減少に歯止めがかからないというふうに危惧しておりますので、これからもしっかりと進めてまいりたい」

市の人口ビジョンでは、今後、人口減少を止めることは難しく市外からの転入による社会増を維持しつつ、減少のスピードをできるだけ緩やかにすることに主眼を置いています。

交通や街のにぎわい、福祉、子育て、教育、雇用など暮らしやすさを選ぶ基準は人それぞれです。

一方で、不便さはあるもの、住み慣れた地域に愛着を持ち、暮らし続けたいと思う人もいます。

人口が減り続けている今、行政サービスの維持や学校の統合再編など集中と選択も求められます。

人口減少時代にどんなまちづくりを進めるのか。市は部局をまたいだ会議を設け、富山型の婚活支援などにも取り組むとしています。