NY市場は、リスク回避ムードが再び広がった。為替市場はドル安が優勢となった。ドル円142.35付近まで下落、本日の下げで再び21日線を下放れる展開が見られている。 市場ではトランプ関税に対する不透明感が依然として根強いが、ドルは長期的に下落する可能性がストラテジストから指摘されている。米政策の不透明感が要因だという。ユーロドルは底堅い展開を継続し、1.13台後半まで上昇。ロンドン時間に割り込んだ21日線を回復している。本日はドイツのメルツ氏が新首相に承認された。ドイツ連邦議会が2回目の投票で承認。1回目は過半数に届かず、市場も不安視していたが、承認されたことで安心感につながったようだ。ユーロの上げをサポート。ポンドドルも買いが優勢となった。本日の21日線は1.3235付近に来ていたが、その上の水準をしっかりと堅持しており、今年に入ってからの上昇トレンドを維持している。今週の英中銀会合では利下げが確実視されている。ただ、ベイリー総裁会見で市場の過剰な織り込みに苦言が呈されるようだとポンド買いのリスクも指摘される。
 
(7日)
 東京市場は、ややドル高・円安の動き。朝に米中間の通商協議開始の報道があり、ドル高・円安となった。中国商務省は何副首相が9日から12日の日程でスイスに向かい、ベッセント財務長官と協議を行うと発表した。また米国側も10日にベッセント財務長官とグリアUSTR代表が中国高官と協議を行う旨を公表している。米中間での通商合意がすぐに決まるとは考えにくいが、協議開始は明るい話題と受け止められた。ドル円は142.40付近から143.20付近へと急伸。午後には143.30台へと再び高値を更新。ユーロ円も162円付近から162.60台まで買われた。ユーロドルはドル買いに押され、1.13台後半から前半へと下落したあと、午後には下げを解消している。

 ロンドン市場は、円安・ドル高の水準で推移している。東京早朝の報道で米中貿易交渉開始の期待感が広がったことで、ドル買いの動きが強まるとともに円安の流れが形成された経緯がある。ロンドン序盤にはドル円が143.46近辺に高値を更新。ユーロ円は163.02近辺、ポンド円は191.51近辺まで高値を伸ばす場面があった。また、ユーロドルは1.13台で下に往って来いとなったあと、ロンドン時間では前日終値付近で上値を抑えられている。ポンドドルは1.33台で売買が交錯しているが、前日終値よりもドル高水準での取引が継続している。総じて東京早朝の報道の余韻が残る動きとなっている。ただ、この後の米FOMC結果発表およびパウエルFRB議長会見を控えて、この時間帯は次第に動意薄になっている。

 NY市場では、米FOMCをめぐる動き。午後のFOMC後のパウエル議長の会見を受けて、ドル高の反応が見られた。ドル円は144円付近まで上昇。ある程度想定通りではあったものの、議長は追加利下げに慎重姿勢を強調していた。「金利調整を急ぐ必要はない。FRBは明確さが得られるまで待つ立場にある」としたほか、不確実性が高まっている点も強調し、失業率とインフレの両方の上昇リスクが高まっていることにも言及。「実際の経済データにはまだ景気減速が示されていない」とも語った。それでも短期金融市場は見方を変えておらず、年内3回の利下げ、最短で7月の利下げ再開で織り込んでいる。エコノミストからは利下げ期待が行き過ぎとの声も出ていた。ドル高反応で、ユーロドルは1.12台、ポンドドルは1.32台に下落した。

(8日)
 東京市場は、ドルが振幅後に買い優勢となった。午前にトランプ米大統領が英国との貿易協定について日本時間今夜に記者会見を開く予定だと報じられたことをきっかけに、ポンド高・ドル安となり、ドル円は一時143.45付近まで下落した。しかし、午後は米10年債利回りの上昇などから一転してドル高に振れ、前日高値を上回る144.31付近まで上昇した。ユーロドルは上に往って来い。午前のドル安局面で一時1.1336付近まで上昇したが、その後は午前の上げを帳消しにして1.1281付近まで軟化した。ユーロ円は円売り優勢となり、午後に一時162.84付近まで上昇した。米英貿易協定の合意が期待され、リスク選好的な動きにつながった。