ひろゆき「キラキラネームをつける親には、子供の将来をもっとよく考えてほしい」
※本稿は、ひろゆき『僕が親ならこう育てるね』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
■就職活動でも不利になる
子どもが産まれて、最初に親が悩むのが名前決めです。そこで、キラキラネームなるものをつける親がいますが、僕は親がやってはいけない代表格だと思っています。
キラキラネームをつけられた子どもは、将来的にデメリットやハンデを背負う可能性が高くなります。名前は、他人から呼ばれるためにつけるものです。その名前が読めない時点でハンデです。
いじめリスクを高めてしまうことももちろんですが、社会人になるとき、就職活動で不利になることもあるようなのです。
企業の人事担当者は、その経験からキラキラネームの人の親の中に、変な人がいる可能性が潜んでいることを知っています。コロナ禍以前は就職説明会に親が来るパターンもあれば、職場に親が乗り込んでくるなど、いわゆるモンスターペアレントの存在が言われたこともありました。
雇用する側からすれば、リスクでしかありません。リスクはなるべく減らしたいと考えるのが普通です。なら、同じ能力を持った就職希望者がいた場合、キラキラネームではなく、一般的な名前の人のほうを選ぶことになりますよね。
■キラキラネームのデメリットを想像できない親は頭が悪い
もちろん、5か国語を話せたりプログラミングができたり、弁護士資格を持っているなど、高度なスキルを身につけていれば、話は別です。キラキラネームとは無関係になれるわけですが、このスキルは相当の努力をしないと得られません。
また、キラキラネームをつけても生きていける子どもに育てられるのであれば、問題ありません。
例えば、芸能人の子ども。奇抜な名前でも、将来的に芸能人として生きていける可能性は高いので、むしろキラキラネームが相手にインパクトを与えます。さらに芸能人でなくても、資産家で子どもが一生働かなくても生きていけるお金を親が残せたり、子どもがズバ抜けて容姿端麗だったりすれば、キラキラネームが背負うハンデを危惧する必要はないわけです。
しかし、多くの人はそうはいきません。そう考えると、親がキラキラネームをつけた時点で、その努力やハンデを子どもに強いるのはあまりに厳しい。このデメリットを想像できない親は頭が悪いと言えるでしょう。
最近の研究結果では、IQの4割は遺伝することが判明しています。全員とは言いませんが、キラキラネームの人は頭が悪い可能性を孕んでいるとも言えてしまうわけです。
■他人が読めない名前をつけても名前として意味がない
名前をつける際、読めることが前提の普通の名前にするほうがいいと考えますし、名前の候補で悩んだら周りの人に読めるかどうかを確認したほうがいいでしょう。
加えるなら、その読み方がほかの言語で変な意味を持たないかどうかまで確認します。これからはグローバル化の時代ですから、他国で働いた際に自分の名前の読みが、その国の言葉で忌み嫌われる言葉だとなかなかしんどいと思うのです。
冒頭でも述べましたが、名前は、他人が読むためにつけるものです。
読めない漢字で名前にすることは名前のつけ方として間違っていますが、バカな親だと親自身の思い入れや、雰囲気がかわいい、特別感を出したい……といった理由で、子どもに変わった名前をつけてしまう。子どもの将来を、もっとよく考えてほしいものです。
■子育てを「不安に感じる」はいいことだ
いまの日本は不景気で、コロナ禍による失業リスクやうつ病になる可能性を孕んでいます。そんな不安定な状態が続けば精神衛生的にあまりいい状況とは言えないわけで、多くの人は不安を感じていると思います。
しかし、ここで思うのは「人間、不確定な未来や未知のことを不安に感じるのは至極全うだ」ということです。
新型コロナウイルスの影響で倒産件数が増え、日本ではワクチン接種がなかなか進みません。終わりがまったく見えない状況で、すでに資産的にゴールしている人ではなく、普通に働かないといけない人が不安を感じていないとしたら、むしろ鈍感すぎる気がします。それは、子育てでも同じことが言えると思うのです。
子育てをしたことのない人が子育てに不安を感じるのは、まともな人間のリアクションです。絶対に風邪を引かない人がいないように、絶対に子育てでノイローゼにならないという人もいません。頭の悪い人は「うつ病は根性で治る」とか考えるようですが、根性でうつ病が治ることを論文で証明できれば、それは、もうノーベル賞モノの大発見です。
つまり、どんな親でも「自分の子育ては正しいのか?」と悩んで育児ノイローゼになり、もっと言えば毒親になる可能性もあるのです。「自分も毒親になるかもしれない」と自問できている人は、それだけで十分まともだと思うのです。
自問できれば「自分の考えや行動が絶対に正しい」と思い込まず、他人の忠告をありがたく聞けますし、他人からのアドバイスを排除しません。だから、不安を感じることは決して悪いことではないのです。
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ひろゆき(ひろゆき)
2ちゃんねる創設者
本名は西村博之。1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、近著『僕が親ならこう育てるね』(扶桑社)ほか『無敵の思考』『働き方 完全無双』(大和書房)、『論破力』(朝日新書)などがある。
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(2ちゃんねる創設者 ひろゆき)