小さくても大きくても「できること」を!
だが、結果はともあれ、今田の行動には拍手を送りたいと思う。あとさき考えず「とにかくできることをやりたい。僕にはこれしか思いつかなかった」という今田の気持ちは、母国と母国の人々を思えばこその素直なものだったのだから。
さらに今田は、日の丸をデザインしたマーカーをキャップにつけてプレーした。キャディのケーシー・ケロッグも同じマーカーをつけていた。以前、ワールドカップ出場の際にもらったものだそうだが、こんな小さなところでも「できることはないだろうか」と考え、密かにコツコツと行動に移していた。
米ツアーも公式に義援金を集める運動を開始した。ツアーのウエブサイト上に寄付の申し込みフォームを設け、誰もが好きなときに好きな金額をクレジットカードで寄付できるシステムだ。
米ツアー選手で韓国出身の崔京周、昨季日本ツアー賞金王のキム・キョンテらも、それぞれ10万ドルを寄付してくれた。韓国人選手は日頃からチャリティ熱心。日本でも全美貞が1000万円を寄付した。日本人選手より韓国人選手のほうが行動に移すのが迅速で寄付の額も大きいというところ、日本人として少々考えさせられるのは確かだ。が、寄付や助け合いはスピードや金額を競い合うものではないし、何かをしたいという気持ちが一番大切なわけだから、それはそれでいいのかなとも思う。その一方で、被災地や被災者は現実的直接的な助けを必要としている緊急事態なのだから、迅速な対応や金額こそが求められるとも思う。
物理的にも精神的にも混乱や不安に包まれている今、価値観や優先順位というものは立場や置かれている状況によって大きく異なる。誰かが良かれと思ってやったこと、やらなかったことが、誰かにとっては不愉快だったり怒りの対象になったりもする。しかし、感謝の気持ちだけは持ち続けたいと思う。そして、どんな小さなことでもいいから、自分がやれることを「良し」と信じてやっていくしかない。もちろん、大きな「何か」ができる立場にある人は、できる限り大きな何かをしてほしい。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)