先月25日に行われたアジアカップ準決勝の日本戦でゴールを決めた際、韓国代表のMFキ・ソンヨン(セルティック)が行った、日本人を侮辱するような猿の物まねが、英国で物議を醸している。

 英国のスコティッシュ・サン紙は29日、今回の行動を批判した記事を掲載。キ・ソンヨンは韓国サッカー協会の調査に対して、「日本人に向けたものではなく、欧米の人種差別主義者に対する抗議の意味を込めた」と弁明したが、同紙はこの発言を、「批判を逃れるためのすり替え」と批判した。

 この問題は英国でさらなる議論を巻き起こしている。英国・スコットランドメディアのスポーツ・スコッツマンは、セルティックのサポータークラブの理事長トミー・ドーナン氏が、「人権主義はスコットランドに根強くある問題だ」とキ・ソンヨンの主張を擁護したと伝えている。

 さらにドーナン氏は、「人種主義がサッカーに醜聞をもたらすことは嘆かわしい。しかし、英国の人種差別を教育する慈善事業団体「Show Racism the Red Card (SRTRC)」は、日本代表のMF中村俊輔(横浜F・マリノス)が人種差別的な扱いを受けていたという事実に対して、何も行動を起こさなかったことに驚いた」と語ったと報じている。

 また英サン紙は、「ずうずうしい猿」という見出しでキ・ソンヨンの発言を非難したが、一方でキ・ソンヨンのチームメートである韓国代表DFチャ・ドゥリ(セルティック)が、「キ・ソンヨンがボールをとったとき、2人のサポーターが飛び上がって猿の物まねをしたのを見た。こんなことは8年間プレイしたドイツでは一度も経験したことがない。この事件は恥ずべき行為で非常に憤りを感じた」と語ったと伝えている。

 同紙は、スコットランド・パースを本拠地とするサッカークラブ、セント・ジョンストン・フットボール・クラブ(St.Johnstone Football Club)が、昨年の試合でキ・ソンヨンに対して行われた人種差別的な行為の調査に乗り出したと報じている。(編集担当:田島波留・山口幸治)



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