「ベトナム・ロータス・ファンド」について、経済アナリストの馬渕磨理子氏(写真:左)が、ファイブスター投信投資顧問株式会社のシニア・ポートフォリオ・マネージャーの元木宏氏(写真:右)に話を聞いた。

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ウエルスアドバイザーは、2025年12月末時点において「成長投資枠」に登録されている2092本(ETF、DC、SMA、限定追加型を除く)のファンドの中から、アクティブファンド1453本をユニバースとし、独自の定量分析・定性分析に基づき、より中長期の資産運用にふさわしいと判断された合計10本のファンドを選定し、『−Wealth Advisor Award 2025−”NISA成長投資枠”WA優秀ファンド賞』として2月4日に発表した。国際株式型部門にて受賞した「ベトナム・ロータス・ファンド(愛称:ロータス)」について、経済アナリストの馬渕磨理子氏(写真:左)が、ファイブスター投信投資顧問株式会社のシニア・ポートフォリオ・マネージャーの元木宏氏(写真:右)に話を聞いた。

◆「50年前の日本」ベトナムに投資して抜群の好成績

馬渕氏:「ベトナム・ロータス・ファンド」は、3年、5年のリターンはいずれも非常に高水準で、中長期でも相対的な運用成績や効率性の高さが際立っています。新興国投資は難しい局面も多かったと思いますが、本ファンドは2021年に続いて2度目のアワード受賞とのことです。なぜこのような好成績を継続できているのか、まずファンドの特徴からお聞かせください。

元木氏:2回受賞できた最大の要因は、ベトナム一国に投資していることに尽きます。ベトナム経済が成長すれば、企業業績が伸び、利益が増え、株価が上がるというサイクルが期待できますが、それが実際に起こっているのが今のベトナムです。つまり、ファンドの成績が良い最大の理由は、ベトナム株に投資していることそのものにあります。

 加えて、当社は現地の優秀な証券会社数社から日々情報提供を受け、アナリストやエコノミスト、セールストレーダーの方々と密にコミュニケーションを取りながら投資判断を行っています。そうした現地情報をどだいに、アクティブかつ集中投資を行うのが「ベトナム・ロータス・ファンド」の特徴です。結果として、ここ数年で基準価額が約2.5倍になりました。

馬渕氏:グローバルサウスという大きなテーマの中では、さまざまな国に分散した方がよいのではと思いがちですが、ベトナムに絞ることで高成長を取り込めているわけですね。私はまだベトナムを訪れたことがなく、新興国というイメージを持っており、経済が強く成長しているのか、わからないというのが正直な感覚です。しかし、統計ではGDP成長率の高さが目立つので、実際のイメージと実態の数字が乖離(かいり)しているなという印象です。元木さんはベトナムという国をどのように捉えていらっしゃいますか。

元木氏:非常に分かりやすく申し上げると、今のベトナムは『50年前の日本』に近い姿だと考えています。人口は日本と同じく約1億人、平均年齢は33歳前後と若く、1人当たりGDPもおよそ4000ドルと、当時の日本と近い水準です。株式時価総額も約50兆円で、これも50年前の日本と重なります。まさに、日本が高度経済成長の真っただ中にあった頃のような環境が、今のベトナムで起きていると言えます。

馬渕氏:これからさらに高度成長が加速していく可能性があるということですね。では、ベトナムの高成長を支えている要因はどこにあるのでしょうか。

元木氏:ベトナムは、内需と外需の両方が伸びる『ハイブリッド成長』にあると見ています。その背景には、まず安定した政権と良好な国際関係があります。どの国にとってもこの2つは非常に重要ですが、ベトナムは新興国の中でも政治の安定度が高く、対外関係も良好です。

 さらに、若く豊富な労働力があることも大きな強みです。人口が多く、教育水準も比較的高いうえ、そして、まだ労働コストが低い。そのため、世界の生産基地として工場を置くのに非常に適しています。中国は『ルイスの転換点』(イギリスの経済学者W・アーサー・ルイスが1954年に提唱。経済発展の過程において、農村部の無尽蔵な余剰労働力が底をつき、都市部の低賃金労働が終焉(しゅうえん)を迎えて急速な賃金上昇が始まる分岐点のこと)を過ぎたことで賃金が上昇しているといわれていますが、ベトナムはその時点に行くにはまだまだ成長余地があり、脱中国の受け皿として存在感は一段と高まっています。