新しく建設中の橋にイタズラ書き!?←いいえ、ちがいます 「むしろ大切な“落書き”なんです!」

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 ある日、私のもとにこんなメッセージが舞い込みました。

「いま、近所の河川に新しい橋が建設中なのですが、もうすでに落書きがされているんです。でも建設中ですし、誰かのイタズラ書きとは考えづらく、もしかしたら建築スタッフのひまつぶしなのでしょうか?」

 早速、現場に行ってみました。

 その場所には、いま現在使用している橋の横に建設中の橋があります。その橋を歩いて渡ってみると……。ありました。新しい橋の側面下あたりになにかが書かれています。

 どんな落書きかといいますと、碁盤の目のように縦横線が引かれていて、そのマス一つひとつに数字が書かれています。

 それを目にした私は思いました。「こんなゲーム、昔やってたわ!」と。ちいちゃいときにやった、棒切れで地面に「⚪︎」や「×」を書いていって1列そろえられたら勝ち、みたいなゲームです。

 そんな、ちいちゃいときにやった“マルバツゲーム”の進化系みたいな感じ。数字で勝負するという少し高度になった、頭を使う大人版みたいなもんなんでしょうか。

「もしかしたら、時間があまったときに現場スタッフがひまつぶしに遊びはったんちゃうか」と思って見ていたところ、目の前に現場スタッフさんが来たので聞いてみました。

「あの落書きなんですけどね」と指をさしますと、現場スタッフさんは笑いながら「ちゃうちゃう、落書きちゃうで」と笑いながら説明してくれました。

 橋本体のコンクリートの中には鉄筋が網目のように張り巡らされているそうで、その鉄筋と鉄筋の間の長さを表しているものが書かれいてるとのこと。設計通りに組めているかどうかを、最終検査時に確認するために書かれているそうなんです。

 たとえば、橋の下から上を見ながらチェックをする場合、いちいち手元の図面を見て、また頭を上げてとしていると効率が悪くなります。「なので、ああやって下から見上げた面に書いていれば、一目りょう然にわかって検査がしやすくなるんです」と説明してくださいました。

 もちろん、検査が終わったら消しますので、ひまつぶしでも落書きでもない。むしろ、建設していく工程でめちゃくちゃ大事なことをチェックするために書かれた、落書き……。

 いやいや、落書きちゃうちゃう。大切な、“標示”なんです。

※ラジオ関西『バズろぅ!』2026年4月25日放送回より

(『バズろぅ!』ラジオパーソライター・わきたかし)