売上5億なのになぜ“利益ほぼゼロの仕事”を増やすのか…るるたんが仕掛けた「60分20万円」の真意
風俗嬢として活動を始め、いまやSNSの総フォロワー数110万人を誇るアダルトインフルエンサー・るるたん。2025年はグラビア写真集の出版や有名プール撮影会への参加を通じてさらに知名度を高め、自主制作した同人AVは売上推定5億円。その成功は偶然ではなく、綿密な戦略と自己プロデュース力の賜物だった。〈前後編の前編〉
同人の売り上げだけで推定5億超
──2025年、大きかった出来事を1つ挙げるとしたらなんでしょうか。
るるたん(以下同) 2025年は過去イチ稼げた年でした! 同人AVの売り上げがいい月で1億円、悪い月でも2000万円で推定5億円でした。「myfans」「ファンティア」と2つのプラットフォームをまたいで1位になった人は他にいないので、同人で私より儲かっている人はいないと思います。
──5億円ですか......。夢のある話ですね。
同人AV業界の売り上げ自体は右肩上がりなんですけれど、有名になると決済でカード利用を止められるリスクが大きくなります。同人界隈はカード会社の規約とのイタチごっこな面があるので、リスクヘッジで、「myfans」「ファンティア」以外のサイトを並行して増やしています。
表現に厳しいプラットフォームってクリエイターからはヘイトが出ますが、逆に厳しいからこそ安心なんです。規制が緩いということは危ない。そのラインを把握しながら運用しています。
──2025年はその他にも、さまざまなチャレンジをし、知名度を上げた印象です。
自分でも飛躍をした1年だと思います。4月に大人のオモチャの「るるたん VS. mimicギミック」を出したことが大きかったです。マジックアイズというメーカーさんに私から「出したいです」と昨年からお願いして、やっと実現しました。お陰様でFANZAやAmazonのランキングで1位を取らせてもらいました。ただ私の利益にはほとんどなっていないんですよ。
──えっ、どういうことですか?
それこそ稼ごうと思えばメーカーさんに頼まずに自分で作って売る方が利益は大きかったと思います。でもそれだと、今回のようにドン・キホーテの店舗には置いてもらえない。そこはマジックアイズさんの流通網と看板がないとできなかったことです。
私は事務所には所属していないですし、セクシー女優でもなければグラビアアイドルでもないので曖昧な立場。だからこそ、名刺としてドン・キホーテに私の商品を並べたかったんです。商品が並んだ時点で利益がなくても十分プラスなんです。
──なるほど。広告としての意味合いが強かったんですね。
そうです。発売までに知名度も上げて、ちゃんと売るところまで含めて、プロモーションとして設計していました。たぶん大人のオモチャを出した女の子史上、一番熱量があったと思っています(笑)。
「稼ぐ商品」と「プロモーション」の違い
──今年8月に発売された写真集『 R-25 』(ワニブックス)も、お金度外視だったそうですね。
紙の写真集とデジタル写真集が同時に発売されましたが、ギャラよりも制作費にかけました。正直なところ多少印税が入ったとしても、他で稼いでいる額の方が大きい。だったら一緒に仕事をした人たちに「るるたんと働けてよかった」と言ってほしいんです。なんなら写真集はタダでもやっていました。その代わりにヌードはやらないという条件をつけました。
──確かにアダルトの方が写真集を出すと、どうしてもヌードありきになります。
私にとってヌードは“稼ぐ商品”なんです。自分の一番稼げるところを他人に譲ってしまうと、消費が早くなってしまう。だからこそ人には任せられない。ただヌードでなく、水着のグラビアであれば、私の中ではプロモーションという露出なので、やりたい仕事であればギャラがなくても積極的に受けています。
今回の写真集はギャラを目的としなかった代わりに、ギャラの予算の一部を制作費にあてました。撮影場所を沖縄にさせていただいたり、ヌードは出さず、ギリ坂道グループのアイドルが着てそうな衣装も取り入れたり(笑)。構成も、デザイナーさんや編集者さんと一緒に会議室で組みました。
最初から最後まで私が作りたい一冊を作らせていただきました。「その代わり、絶対に売ります」という約束で(笑)。
──“売れる”という確信はどこから?
売れないはずがない(笑)。そもそも私は売れないと思ったら仕事は受けないんですよ。例えば「アパレルやりませんか?」「カラコンやりませんか?」と話がきても絶対受けない。だってファン層とは違うので。
でも今の私なら写真集3000~4000冊なら売れる自信はある。それはファンクラブの会員数や、イベントに来る人数、フォロワーさんの動きを見ていたら分かります。最悪、自分で買い上げるという覚悟をもってやっていました。
──日々のマーケティングから最低の売り上げラインを把握しているのは強いですね。プロモーションは収益ゼロでいいという割り切りが徹底しています。
私のビジュアルでは「るるたん」というインフルエンサーでなかったら、ヌード写真集を出しても絶対に売れないと考えているんです。ネットでは無料でエロ動画がいくらでも見られるわけですし、かわいい女の子の裸でお金を取るのは今は厳しいんです。
それでも私がなぜ5億円も稼いでいるかといったら「るるたん」という存在のおかげです。今年は雑誌やプール撮影会、人気YouTuberの動画にも出させていただきました。だからこそ付加価値がついて「この子のセックスを見たい」となり、お金が生まれるんです。
なのでインフルエンサーとして動く部分に関しては稼がなくても大丈夫。そこで知名度、付加価値を積み立てた上で、同人など自分で脱ぐ軸でお金を稼いでいるんです。
「60分20万円」で炎上するも…
──8月には大型のプール撮影会「近代麻雀水着祭」(キンマー)にも出演されました。その際もSNSで話題となりました。
実は去年もキンマーに出たいとアプローチしていたんですが、出られていなかったんですよ。なので今年出られたこと自体もうれしかったです。
キンマーで撮影していただいた写真を「勝手にSNSであげていいよ」と話したところ、撮影してくれた方が写真をたくさんアップしてくれて、私の知らないところでどんどんバズってくれました。アダルト内だけでの認知度だったものが一般にも広がって、街中で声をかけられることが増えました。
──るるたんは現在も都内の派遣型風俗店で働いていますが、知名度の上昇もあって料金は「60分20万円」になったそうですね。
実は「60分20万円」という価格は、プロモーションの一環で考えたフレーズで、キンマー出演時にぶつけたんです。「高すぎる」と炎上するのは間違いないんですけれど、勝負をかけてやりました。
──あの打ち出し方も戦略だったのですね。
人気商売って、ぶっちゃけ「知っている人は知っているけれど、知らない人は知らない」ぐらいの方が、長期で見た時に一番儲かると考えているんです。だからこそ、これまでは少しずつ知名度を大きくしてきたんですが、今年はその振れ幅を意識的にガッと上げたんです。
もともと同人を始めたときに、目標が2億円を貯めることだったんですけれど、今年その目標が達成できました。お金を貯めたから何かをするというのは全くなかったんですけれど、自分の中で目標を達成できた自信と安心感があり、ゴールを見るというイメージで挙げました。それが「60分20万円」という尖ったプロモーションにつながったんです。
そもそも風俗って、この値上げの世の中にあって値段が停滞しているんですよ。コーヒー1杯の値段は上がっているのに、女の子の値段だけは上がっていない。むしろ格安店が流行ったことで平均としては下がっている可能性もある。そうした中で自己満かもしれないんですけれど、人気のある子は値段を上げられるという選択肢を作りたかったというのもありました。
#2に続く
取材・文/徳重龍徳 撮影/杉山慶伍
