まさか、まさか、まさか、の結果となった。
 U−23日本代表である。

 準々決勝から現地タイへ行こうと考えていたので、あわただしくスケジュールを変更することになった。第2戦終了時にグループリーグ敗退が決定してしまったので、それでも多少は余裕を持てたのだが。

 森保一監督の進退を問う声が強まっている。

 結果が出なかっただけでなく内容も寂しい試合を続けて、グループリーグ敗退に終わってしまったのだ。VARにひどく翻弄されたのは間違いないとしても、指揮官をフォローできる材料は見当たらない。

 堂安律、冨安健洋、板倉滉、中山雄太、久保建英らを招集できなかったことも、大会前から分かっていたことである。直前に行なったU−22ジャマイカ代表戦がU−23選手権の準備になっていないように、強化スケジュールにつながりを持つことができていないのも、手痛いツケとなって結果に表れた。

 タイで行われた3試合では、フィールドプレーヤーで遠藤渓太と菅大輝がピッチに立てなかった。ところがこのふたりは、五輪世代中心で臨んだ昨年12月のE−1選手権に出場している。遠藤は2試合に、菅は1試合に先発した。彼らにとってのE−1選手権は、果たしてどんな意味を持っていたのだろう。

 サッカー協会が解任を決断してもおかしくない状況である。では、後任は誰になるのか。誰がベストなのか。

 東京五輪世代が昨年来から結果を残してきた試合は、横内昭展コーチが監督代行として指揮したものばかりである。彼を監督に、という意見が聞こえてくる。

 しかし、監督代行のもとで戦った試合に、堂安、冨安、久保らは出場していない。彼らとのコミュニケーションは、森保監督がより密接と言えるだろう。

 U−23を横内コーチに任せ、森保監督は日本代表に専念させることで、ひとまず整理はつく。ベターな対応ではある。だが、ベストではない。現在のコーチングスタッフでは、いずれにしても手が回らなくなる。

 3月には日本代表がミャンマー、モンゴルとのカタールW杯アジア2次予選に、U−23がテストマッチに臨む。森保監督はU−23に堂安、久保らの五輪世代を招集することを検討しているようだが、そうすると日本代表はどうなるのか。

 26日に日本代表を、27日にU−23を指揮するのは物理的に可能だ。しかし、30日もU−23のテストマッチで采配を振るうと、31日のW杯2次予選には立ち会えない。こちらはアウェイゲームだからだ。

 対戦相手との力関係を考えれば、指揮官不在でも勝利を逃すことはないだろう。しかし長期的な視点に立つと、場当たり的な対応と言わざるを得ない。

 森保監督抜きで3月の2試合に勝利し、2次予選の首位通過が決まったとする。6月の2次予選の残り2試合は消化試合となり、森保監督の自由度は高まる。日本代表ではなくU−23で、2次予選を戦うことができる。あるいは、2次予選には関わらずに、同時期にU−23が出場予定のトゥーロン国際に出向くことも可能だ。

 そうなると、森保監督のいない日本代表を誰が指揮するのか、という問題が出てくる。さらに言えば、2次予選後の活動は、8月末からのインターナショナルウィンドウだ。正式発表はされていないものの、W杯アジア最終予選がここからスタートするのは確実である。3月、6月を指揮官不在で戦ったり、U−23に試合を譲ったりすると、最終予選への準備が明確に停滞してしまう。

 ロシアW杯の最終予選で、日本はUAEとの開幕戦で黒星を喫した。ケガ人が出たことでヴァイッド・ハリルホジッチ監督(当時)はスタメンの入れ替えを迫られ、浅野拓磨の明らかな得点が認められないなどの事態にも見舞われた末の敗戦だが、この試合は6月以来の活動だった。

 つまり、今回と同じである。格下が相手と言っても、3月、6月の活動を軽視するのは危険だ。五輪はもちろん大事だが、W杯予選も簡単ではない。

 そうやって考えていくと、森保監督がこのまま兼任をしていくのは、やはり無理がある。

 外部から新たな人材を招へいするのは、時間的に難しい。だとすると、ロシアW杯のパターンだろうか。

 現在の関塚隆技術委員長は12年のロンドン五輪監督で、ベスト4まで勝ち上がった。短期集中の大会を経験していることから、横内コーチを監督に昇格させ、関塚技術委員長がサポートする形で五輪に臨む選択肢はある。16日に発表された小野剛氏の技術委員復帰は、関塚技術委員長の現場入りを見越したものかもしれない。 はっきりしているのは、このままの態勢ではU−23も日本代表も中途半端なままで時間を過ごしてしまうということだ。堂安や久保らの海外組をU−23に取り込むことも、オーバーエイジを加えることももちろん大切だが、スタッフの整理こそが喫緊の課題である。