ファルカンはなぜ更迭されたのか。25年前から変わらない日本サッカーのスタンダード
そしてファルカンは1994年5月、日本代表監督に招かれ来日。岩本輝雄、名塚善寛、小倉隆史など新戦力を数多く起用した。ところが同年10月に行われたアジア大会でベスト8に終わると、日本サッカー協会はいとも簡単にファルカンを解任した。その退任会見でファルカンは「4年サイクルで回る代表チームの1年目を意識して戦ったつもりだ」と、3年前のコパアメリカチリ大会の現場で聞いた台詞と同じ言葉を吐いた。
ファルカン采配は25年前も世界のスタンダードだった。しかし当時の日本にその認識はなかった。なんでそんなメンバーを選ぶのか。ベストメンバーを組もうとしないファルカンに多くの人が疑心暗鬼になっていた。そして日本はいまなおそれに近い状態にある。旧態依然たる姿とはこのことである。森保監督は年に何度か欧州を視察して回っているようだが、その程度では世界観は膨らまない。スタンダードは身につかない。いっそファルカンから教えを乞えばと言いたくなる。いまの森保監督の感覚ではW杯は戦えない。僕は強くそう思う。
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スポーツライター杉山茂樹氏の本音コラム。