天国・楽園は存在する!? 宗教で違う理想郷の形【図解 死の話】

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死後に希望をもたらす天国と楽園の存在

救いという希望を信じて生きる

 死後の行き先として語られる天国や楽園は、古代から現代に至るまで、人々の不安を和らげ、死の恐怖を受け止める拠りどころとして機能してきました。

 たとえばキリスト教では、神との交わりを得る場所を天国(ヘブン)と呼び、苦痛や悲しみが完全に取り除かれた世界として描かれます。聖書には、光に包まれた都や、先に亡くなった者たちとの再会という希望が象徴的に示されています。そこへたどり着く魂は、神の愛のもとで永遠の喜びに包まれるのです。

 一方、イスラム教の楽園(ジャンナ)は、豊かな自然に満ちた世界として語られてきました。信仰を持ち、善行を積んだ者がこの地に至り、永遠の安らぎと幸福を得るとされます。そこには清らかな水が絶え間なく流れる庭園が広がり、枯れることのない果実が実り、争いや憎しみとは無縁の静けさが満ちています。さらに、やわらかな絹の衣、香り高い飲み物、心をなぐさめる同伴者の存在など、肉体的にも精神的にも満たされる空間として、多くの信徒に死後の安心感を与えてきました。

 天国や楽園は、死後のなぐさめであると同時に、現世での生き方を導く道標でもありました。死後に救いがあると信じることで、苦難のなかに希望を見出すことができたのです。

キリスト教における天国

 

キリスト教の天国は、神とともに住まい、その愛に包まれて永遠の祝福を受ける場。飢えも渇きもないため、食べ物や水は必要ないとされている。

イスラム教における楽園

イスラム教の楽園は、神に従い正しく生きた者に与えられる永遠の安息の場。望むものがなんでもそろい、想像を絶するほどの至福が広がっている。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 死の話』監修:島田裕巳