『機動戦士ガンダム0083』に刻まれた究極の作画とトップスタジオの萌芽
>>>圧倒的な作画クオリティに驚愕!『ジオンの残光』場面カットを見る(写真8点)
物語の舞台はファーストガンダムで描かれた「一年戦争」から3年後。
ジオン軍残党デラーズ・フリートのアナベル・ガトーが核兵器を運用するガンダム試作2号機GP02Aを強奪、ガンダム試作1号機GP01を駆る連邦軍パイロットのコウ・ウラキは、アナハイム社のSEであるニナ・パープルトンと共にガトーが乗った試作2号機を追跡する−ー。
「OVA」というジャンル、年長のアニメファンなら周知だろが、若い世代のファンにとっては意外と馴染みがないかもしれない。
OVA=オリジナル・ビデオ・アニメは、過程にビデオデッキが普及し始めた1980年代前半〜中盤に生まれたジャンルで、TV放送や劇場公開ではなく、ビデオソフト(後にはレーザーディスクやDVD)パッケージとしての販売、レンタルを目的に制作された作品のこと。直接販売/レンタルされるというジャンルの性格上、年長のファンを意識したストーリーのものが多く、また映像/作画面でも高いクオリティが追求されている。
本作『0083』はそうしたOVAの中でも特に、手描き作画という面ではひとつの〈究極〉に位置する作品であり、今回の放送で改めてその魅力を堪能してほしい。
まず特筆すべきはモビルスーツのメカアクション描写。本作では全編に渡り、立体として複雑にデザインされ、緻密なディテールまで描き込まれたモビルスーツが、激しいアクションを繰り広げている。メインのモビルスーツであるガンダム試作1号機、2号機、3号機の重厚な存在感と、宇宙空間で繰り広げられるめまぐるしい戦闘は、今観ても圧倒的だ。
もちろんキャラクター描写も濃厚だ。陰影を強調した影付けや細かい表情芝居により、登場人物たちの感情はビビッドに観客に伝えられ、「絵が崩れる」という瞬間は皆無と言っていいだろう。

そして重要なのは、そうしたメカ描写、キャラクター描写がほぼすべて「手描き作画」で実現されているということだ。当時のアニメ制作現場は、CGはおろかデジタル作画もまだほとんど導入されておらず、本作も昔ながらのセルを使用した作画で制作されている。にもかかわらず、本作の映像は現在のデジタルやCGを活用したアニメーションにまったく引けを取っていないことは、実際に映像を見て貰えれば一目瞭然だろう。「デジタルもCGもない時代にここまで描かれた」という評価にとどまらず、手描きのアニメーションだからこその風合い、空気感、研ぎ澄まされた動きがあるということも、ぜひ感じてほしい。
(C)創通・サンライズ
★そこには、あるアニメスタジオのルーツが★
本作の制作スタジオは、もちろんサンライズ(現・バンダイナムコフィルムワークス)。
だが実は、この圧倒的な作画を支えたスタッフたちの潮流は、現在、日本のアニメを代表するトップアニメーションスタジオへとつながっている。
本作の作画を支えた軸は、まずはキャラクターデザイン・総作画監督を務めた川元利浩。そして超絶的なメカアクション作画の中心となったのは、総メカニカル作画監督の佐野浩敏。二人の総作画監督の下で腕を振るったのは、逢坂浩司、菅野宏紀、杉浦幸次といった腕利きのアニメーターたちだ。
中でも、前半話数でほぼ交互に作画監督を担当した川元利浩と逢坂浩司は、本作の作画の底上げに大きな貢献をしている。話数を追うごとに、互いに刺激し合うように濃密な映像を追求していった両者と、さらに2人に刺激されていったアニメーターたちの力量によって生まれたのが、本作の〈究極の手描き作画〉なのだ。
やがて彼らは、本作にアシスタントプロデューサーとして参加していた南雅彦とともに『機動武闘伝Gガンダム』、『天空のエスカフローネ』といったアニメファンの記憶に残る名作を作り、1998年には南プロデュース、川元がキャラクターデザイン、逢坂が作画監督という布陣で、あの名作『カウボーイビバップ』を世に送り出す。
そして、サンライズから独立した南、川元、逢坂を中心に1998年に設立されたアニメーションスタジオ、それがボンズなのだ。
『ラーゼフォン』、『鋼の錬金術師』、『交響詩篇エウレカセブン』、『血界戦線』、近年では『僕のヒーローアカデミア』、『ヴァニタスの手記』など、代表作を挙げれば枚挙にいとまがないボンズ。
確かなクオリティでアニメファンの信頼を得ているトップアニメーションスタジオのルーツに触れるーー現在にまで続くボンズの、アニメ作画にこだわり抜く姿勢の萌芽を感じ取るという意味でも、今回の『機動戦士ガンダム0083』の放送は見逃せない機会となるだろう。

(C)創通・サンライズ
外部サイト
関連情報(BiZ PAGE+)
-
アクスタ,
アクリルキーホルダー,
カンバッジ,
声優
