【栃木強盗殺人】妻・竹前美結容疑者 容姿でイジられた少女が“いじめ側”に回った学生時代の「素顔」

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事件前に長野の実家で

栃木県上三川町の民家で5月14日朝、少年らが侵入し、住人の富山英子さん(69)が殺害されたほか、同居する息子2人も負傷した強盗殺人事件。いずれも16歳の少年らが、犯行中に通信アプリを用いて指示を受けていた事実が発覚した。“トクリュウ事件”として栃木県警と神奈川県警の合同捜査本部はこれまでに、指示役とみられる無職の夫婦、竹前海斗(28)と竹前美結(25)の両容疑者を逮捕している。

「指示役の妻」の素顔を取材していくと、地元では困惑と衝撃が広がっていた。

美結容疑者は長野県長野市で生まれ育った。現在の実家周辺では、事件前に美結容疑者が夫の海斗容疑者と生まれたばかりの乳児を連れて帰省していた姿が目撃されている。

近隣に住む50代の女性住民は、その時の様子をこう振り返る。

「だいたい2〜3ヵ月くらい前のことだったと思います。生まれたばかりの赤ちゃんを連れて、夫婦揃って実家に帰省している姿を見かけました。他の一家の方々も一緒に出てこられたのでね。見慣れない旦那さんでしたから、おそらく実家への顔見せか、挨拶を兼ねた帰省だったのでしょう。そのまま家族全員で仲良くお出かけされていきましたよ」

海斗容疑者と美結容疑者の第一印象について、この女性住民は言葉を選びながら語った。

「旦那さんの風貌は、一見すると少し強面というか、怖そうな空気感をまとっていました。肌が白くて、背丈は175センチほど。丸顔で体格もしっかりしており、細めか黒縁のメガネをかけていて、髪型は短髪かボウズ頭だったと記憶しています。こちらから『こんにちは』と声をかけると、普通に挨拶を返してくれましたよ。美結さんのほうは普段ほとんど見かけないので、顔を合わせたのはその時くらいですが、髪は栗色のような色合いでした。夫婦の様子は、一見すると少し『やんちゃな雰囲気がある二人だな』という印象は受けたものの、決して奇妙な感じではなく、どこからどう見ても幸せそうな若夫婦そのものでしたね」

近隣住民には「幸せそうな若夫婦」として映っていたが、美結容疑者の小中学校の同級生たちの証言からは、“別の顔”が浮かび上がる。

「一言で表現するなら、少し尖ったやんちゃなタイプ。人との関わり方に問題があって友達はそんなに多くなかったですね。中学2年生くらいの多感な時期に差し掛かってから、彼女の本来の気質が周囲にもはっきりと見え始めたように感じます」

と話すのは、小学校から中学校まで同じだったという同級生の男性だ。また、当時の美結容疑者は容姿を巡って周囲と軋轢があったという。

「今でこそすっかり洗練されて綺麗になっていますが、当時はお世辞にも目立つような美人というわけではありませんでした。男子からも容赦なく『ブス』などといじられる標的になっていたんです。本人の内心としては、男子からそういう冷ややかな目で見られているのを薄々察していて、そこで生じた傷つきや不満の捌け口が、同性の女子生徒へと向かうことが多かったように思います。そういった背景もあって、女子のグループ内でも心を許せる友人は少なめだったのでしょう」

同級生の母親は、美結容疑者が中学生時代に所属していた吹奏楽部周辺で、保護者間の噂になっていたエピソードを明かした。

美容整形に踏み切り

「当時部内で行われていたいじめにおいて、彼女はターゲットを追い詰める加害者側に回っていたそうなんです。それを聞いた時は『まさか、あのおとなしそうな子が?』と耳を疑いましたが、保護者たちの間ではかなり深刻な話題として持ちきりになっていました。今回の痛ましい事件を知った時も、『ああ、やっぱりあの頃から二面性を抱えていた子だったのか』と腑に落ちる思いがしましたし、何とも言えない複雑な心境になりましたね」

中学校を卒業後、美結容疑者は地元でも中堅クラスとされる県立高校へ進学。部活のことを「班」と呼ぶ同校の独特な文化の中で、バトン班(部)に所属し、野球部の応援などでダンスやマーチングに打ち込んでいた。高校時代の噂では「彼氏ができた」といった話も流れ、楽しそうに高校生活を送っているように見えたという。

しかし、大学受験で挫折を味わう。美結容疑者から急にSNSの友達申請が届いたという同級生の女性は、その不自然な距離感とSNSの変遷を記憶している。

「中学時代は同じクラスになったこともなければ、所属する部活も違ったのに、ある日突然Facebookのフレンド申請が送られてきて『ちょっと風変わりな子だな』と妙に印象に残っていました。彼女のほかのSNSのアカウントを覗いてみると、当時から韓国のアイドルグループである『BTS』に心底熱を上げていて、日々の投稿もその時々の胸の内を韓国語で綴っていました。プライベートでも熱心にダンススクールへ通っていると耳にしていました」

大学受験の時期になると、SNS上には

〈今年の私立大学の受験は難しかった〉

と、第一志望に合格できなかった愚痴が漏らされていた。その後、神奈川県の大学に進学し、一人暮らしを始めたという。

「親元を離れて一人暮らしを始めてからは、親からの仕送りに頼り切るわけでもなく、自分でアルバイトを掛け持ちして生活費を稼いでいましたし、実家へも頻繁に顔を出していましたよ。ただ、その時期を境に、何というか彼女の中で少しずつ歯車が狂い始めて……。美容整形に踏み切ったり、値の張る美容室に通ったり、自己顕示欲を覗かせる投稿が目立つようになったんです。中学の頃に男子から容姿をからかわれていたことに対する、彼女なりの強烈な反発心だったのかもしれません。それでもアイドルへの傾倒ぶりは以前と変わらず、ネットを介して限定グッズの売買を行ったり、実際のライブへ熱心に足を運んだりしていました」(前出・同級生女性)

美結容疑者はTikTokにも自身が踊るダンス動画を熱心に投稿していた。

「TikTokの動画を見ても、地元の友達とかは一切出てこないんです。やっぱり周囲から距離を置かれているんだなという印象でした。でも、ある程度頭も良かったわけですし、闇バイトの指示役をやるような子にはどうしても思えないんです」(同・同級生女性)

その容姿から男子からイジられた少女は、教室で女子生徒をいじめる側に回った。そしていつしかネットの闇に染まり、自らは安全な場所から16歳の少年たちへ火中の栗を拾わせる強盗の「指示役」へと変貌を遂げていた。

犯行当日、通信アプリの向こう側で冷徹に指示を出していたとされる美結容疑者の本当の「裏の顔」の解明が進められている――。