花粉を「防ぐ」服選びや換気のコツ。半袖より長袖、空気清浄機を使っているだけはNG:医師が解説
花粉症の症状に悩む人も多い時季。今回は、花粉症の基本的なメカニズムと対策について解説します。教えてくれたのは、わしお耳鼻咽喉科の鷲尾有司先生。症状を抑えるための生活習慣や、洗濯・掃除といった日常のなかで気をつけたいポイントについて伺いました。

都市部でも要注意。花粉症になるメカニズムを解説
花粉症は、そもそもなぜ発症するのでしょうか。
「花粉症は、正しくは『花粉アレルギー』というアレルギー反応です。発症の理由は厳密にはまだ解明されていませんが、大きく分けて『遺伝』と『環境』の2つの要因が関係していると考えられています。ひとつは遺伝的要因。もともとアレルギー体質の方や、血縁にアレルギーをもつ方がいる場合は、発症リスクが高くなります。もうひとつは環境要因で、花粉に継続的にさらされることで発症に至ります」(鷲尾先生、以下同)
花粉は「山に近いと多く、都会では少ない」と思われがち。しかし実際には、都会に住んでいるからといって花粉症になりにくいわけではありません。
「スギ花粉は数十キロ飛散しますし、都市部では地面がコンクリートで覆われているため、落ちた花粉が再び舞い上がりやすいという特徴もあります。また、日本ではスギやヒノキがおもな原因ですが、北海道ではシラカバなど、地域によって原因となる花粉は異なります」
さらに、環境衛生が進んだことで免疫が過敏になり、体が花粉に反応しやすくなっている可能性もあるそうです。
花粉症対策で押さえておきたい2つのポイント

鷲尾先生によると、自分でできる花粉症対策には、大きく2つあるそうです。
●1:マスクをぴったり装着する
ひとつは「体への花粉の侵入を防ぐ」こと。
「感染症対策と同様に、粘膜からの侵入を防ぐことが重要です。具体的には、マスク・眼鏡・帽子の着用など。マスクを着用する際は、鼻や口にしっかりフィットさせることが大切です。不織布のマスクがおすすめですが、3Dマスクやウレタンマスクでも、すき間なく装着できていれば一定の効果は期待できます」
服装も「長袖」を選び、できるだけ肌の露出を減らすことで、花粉の付着を防ぐことができるそう。
「花粉は粘膜だけでなく皮膚にも付着し、アレルギー反応を引き起こすことがあるため、体全体を守る意識が大切です」
●2:外出後は体についた花粉を落とす
もうひとつの対策が「家への花粉の侵入を防ぐ」こと。とくに、帰宅後に体についた花粉を落とすことが効果的です。
「まず玄関の外で、上着や衣類についた花粉をしっかり払い落としましょう。室内に入ってから行うと、花粉をまき散らしてしまう原因になります」
室内に侵入する花粉を少しでも減らすことが目的のため、「再び付着するのでは」と過度に心配する必要はありません。
「付着する花粉を抑えるには、ウインドブレーカーなど表面がつるつるした素材の上着を羽織るのがおすすめです。また、帰宅後にローラーで衣類の汚れを落とすと、より効率的に花粉を除去できます」
帰宅後は、手洗い・うがいを徹底することに加え、目洗いや鼻うがいも効果的です。
「髪の毛にも多くの花粉が付着しているため、帰宅後はできるだけ早くシャワーを浴びて洗い流すのがおすすめです。これらの対策は花粉だけでなく、PM2.5や細菌の除去にも有効ですよ」
洗濯物は外干しNG?空気清浄機の意外な落とし穴
室内での花粉対策も気になるところ。とくに洗濯物の干し方や空気清浄機の使い方には注意が必要です。
「花粉の飛散は、気温が上がって花粉の放出量が増えるお昼頃と、地表の花粉が再び舞い上がる夕方に多いとされています。そのため、症状がある方はこの時季の外干しは控えるのが基本です。また、空気清浄機を使っているから安心というわけではありません。空気清浄機は空気中に浮遊している花粉には効果がありますが、床に落ちた花粉までは取り除けません。そのため、機械に頼るだけでなく、玄関で花粉を落とす、帰宅後すぐに手洗いうがいする、シャワーなどを浴びる、といった基本的な習慣の見直しが重要です」
床に落ちた花粉を取り除く場合は、掃除機できれいにしたあとに水ぶきをするといった、一般的な掃除方法で対応できます。
「換気をする場合は、花粉の飛散量が多い時間帯を避け、換気扇などを活用するとよいでしょう。どうしても窓から換気を行いたい場合は、花粉の飛散が少ない時間帯に10分程度を目安に行ってください。レースカーテンをしめておくことで、花粉の侵入を抑えることができます」
花粉の症状に困っている方は、帰宅時の習慣や洗濯など、日常の行動から見直してみてはいかがでしょうか。
