JRT四国放送

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(森本アナウンサー)
「『53.0%』、民間の信用調査会社による、徳島の中小企業の後継者不在率を表す数値です」
「2社のうち1社は、跡継ぎがいない状況ということになります」

(豊成アナウンサー)
「この問題を解決する手段として、親族や従業員ではない第三者に事業を引き継ぐ「第三者承継」という動きが注目されています。」

(事業を譲渡した・中山良男さん(86))
「証明写真もまだあるんですか」

(中山カメラを事業承継した・茺田誠さん(53))
「はい、結構いらっしゃいます」

(事業を譲渡した・中山良男さん(86))
「そうですか、それはよかった」

徳島市のポッポ街で、60年以上カメラ店を営んできた中山良男さんは、親族や従業員ではない第三者に事業を譲りました。

事業を引き継いだのは、大阪府出身の茺田誠さんです。

(中山カメラを事業承継した・茺田誠さん(53))
「定年を見据えてどうしようかなと、自分で事業をしたいなという気持ちがあって」

茺田さんはこれまで、大阪を拠点に税理士事務所やホテルマン、観光バスのドライバーなど、さまざまな仕事をしてきました。

(中山カメラを事業承継した・茺田誠さん(53))
「起業をすることも考えたんですが、事業承継という方法があるなと」
「0から1にすることは難しくても、1から2とか3にすることは出来るのではないかなと」

事業承継のマッチングを行うサイトを見ていて、たまたま見つけた中山カメラ。

趣味の写真に関わる仕事と、祖父母の地元が徳島だったという縁で、引き継ぎたいと思いました。

(事業を譲渡した・中山良男さん(86))
「めったにチャンスがないと思うので、非常にうれしかった」
「私は歳が80歳を過ぎていますので、そろそろ引退する時期が来てましたので」

中山さんは、後継者を募る中小事業経営者に最大10万円支給される「県M&A促進奨励金」という制度をきっかけに、後継者を探していました。

話を聞きたいと、3人目に現れたのが茺田さんで、話し合った結果、2025年8月に会社を譲ることを決めました。

(事業を譲渡した・中山良男さん(86))
「今の写真業界は、登り調子ではない時なので、安心できましたね」

(中山カメラ・茺田誠さん(53))
「写真だけに留まらず、他の事業もいろいろやっていきたいと思っているので」
「写真だけだと、どうしてもこれから増えていくばかりではないので、その他のことも積極的にやっていきたい」

県事業承継・引き継ぎ支援センターによりますと、第三者承継に関する2025年度の相談件数は、12月時点で、前年度の同じ時期と比べて38件多い265件と、年々増えています。

このような状況を受けて、1月26日、徳島市で事業承継マッチングのイベントが開催されました。

会場とオンライン配信には、全国から集まった事業承継の希望者やその関係者93人が出席し、県内の3つの企業が社名を公開して事業を紹介しました。

(参加者は)
「興味があったんでね、来てみました。各業者の熱意は感じられて、グッとくるものもあったし」

こちらは、後継者を探そうとイベントに参加した富永佐代子さん。

東みよし町で、衣料販売店を営んでいます。

(ブティックおしゃれ館・富永佐代子さん(79))
「ウエストがこの位置にあって、足が長く見えるって言う薦め方もしています」
「ブローチを付けることで、イメージも変わってきますので」

富永さんは、38年前にこのお店をはじめました。

カラーアナリストの資格を活かしながら、県内外から通う30代から90代までのお客さんに合わせて商品を仕入れ、コーディネートを提案してきました。

しかし…。

(ブティックおしゃれ館・富永佐代子さん(79))
「大きな交通事故にあいましてね、腰の骨を折りましたから。まだまだ、私も頑張ろうと思っていましたけれど」
「今のうちに、お願いしたらいいかなと思ったら、丁度チャンスが来て」

地元の商工会からの勧めもあり、後継者を探すことにしました。

(ブティックおしゃれ館・富永佐代子さん(79))
「お客様からの、ブティックってなかなかないから続けてよっていうニーズがありますので、辞める訳にはいかない」

どんな後継者を求めるのか、尋ねてみると。

(ブティックおしゃれ館・富永佐代子さん(79))
「人と接するのが好きな方、洋服やジュエリーが好きな方、できるだけサポートさせてもらいますので」

(日本政策金融公庫 徳島支店・高木功 事業統轄)
「事業承継という問題はですね、センシティブな問題でございますので、なかなか公にしない」
「相談もしないというところに、引っかかっていた」
「後押しする施策がないと、なかなか後継者問題は前に進まないのではと考えていたので、きっかけになればと」

第三者承継には、経営不安と見られるのではないかという心配や、後継者探しと手続きに時間がかかるなど、課題も少なくありません。

大切に育ててきた会社やお店を残したい、そんな思いを広げつなげていく。

課題を抱えながらも、第三者承継に期待が集まります。