婚姻数はなぜ年々落ちているのか。結婚相談所ナレソメ予備校塾長の勝倉千尋さんは「令和の婚活で恋愛の先に結婚があると思ったら、大間違いだ。マッチングアプリが、ロマンティック・ラブにトドメを刺した結果、恋愛の先に結婚はなくなってしまった」という――。

※本稿は、勝倉千尋『1年で決める! アラサー女の婚活戦略マニュアル』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/K-Angle
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■8割以上は結婚願望があるのに、結婚できない

まずは、このデータを見てほしい。

「若者の結婚ばなれ」

なんて言葉を聞いたことがあるかもしれないけど――

それ、実は完全に間違いなんだよね。

データを見るとたしかに、未婚者の結婚意思は年々下降トレンドにあるのは事実。一生結婚しない! と心に決めている人の割合も増えている。

それでも、いまだに大多数である未婚男女の8割以上が、「いつかは結婚したい」と思っているのがわかる(図表1)。

つまり、あなたのように「いつかは結婚したいな」と夢見る男女はまだまだ多数派であり、それってすごく一般的な思考だってこと。

結婚したいけど、現状できていない……ってのはあなただけじゃないから、まずは安心してちょうだいな。

出典=『1年で決める! アラサー女の婚活戦略マニュアル』
出典=『1年で決める! アラサー女の婚活戦略マニュアル』

その一方で、実際の婚姻件数と婚姻率はというと――図表2を見てのとおり、婚姻数は年々減少傾向。足元の2024年ではようやく少し回復していてボトムアウト感はあるけど、それでもピーク(1972年・109万件)からは半減以下。

出会いだけなら、マッチングアプリがある。

友達が紹介してくれることもある。

合コンも、婚活イベントも復活した。

異性と知り合う機会は山ほどある。

「出会いは増えているはずなのに、なぜ私は結婚できないの?」

そう悩んでいるあなたの姿は、決して特別じゃない。8割以上は結婚願望があるのに、「結婚したくても、結婚できない人」が、日本中に蔓延しているのが今の状況。このグラフからは、「結婚したいよ〜〜でも、どうやって」ともがく、人々の叫びが聞こえてくるようだ。

どうしてそうなるのか――

それには、明確な“構造的理由”があるんです。

■ロマンティック・ラブの死

恋愛の先に、結婚はない――と聞いたら、これを読んでる女子の7割は目ん玉ひん剥いて憤死すると思う。

そう、あなたたちは、ずっと騙されていたんです。

キラキラした恋愛の先に結婚があると思ってたよね?

長く付き合えば、きっとプロポーズされると信じてたよね?

いつか自然な出会いがあって、理想的な結婚相手と巡り会えると……そう夢見ていたんだよね?

ブブーーーーーーッッ!!!

もしそれが本当に正解なら、男女共に8割が結婚したがっているこの国で、未婚アラサー女子が量産されてるわけないのよ!!!

いい?

あなたがまず知っておくべきは、「ロマンティック・ラブ・バラバラ殺人事件」によって、今や恋愛と結婚が完全に切り離されたということ。

恋愛の先に、結婚があると思ったら、大間違い。

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悲しいけれど、今はそういう時代なんです。

なぜ「出会いはあるけど、結婚できない」のか?

かつての恋愛は、いわゆる身近なコミュニティの中で、自然発生的にうまれていたと思う。

学校や趣味の集まり、社内恋愛など、「日常の延長線」に恋があって、そこから結婚に発展していったよね。今も、そういう「自然な出会い」に憧れている女性は多いんじゃないかな?

■恋愛・セックス・結婚が三位一体となった時代

でもね、「自然な出会いからの結婚」が成り立っていたのには、ちゃんとした理由がある。

それは、社会に「人の目」と「責任」があったから。

同じコミュニティ内の出会いであれば、お互いの素性もわかっているので、「変なことはできない」って自制心が働く。無責任なことをしたら、自分のコミュニティ内での評判に関わるので、四方八方に口説きまくって手をつけて……なんてことはしにくい。

それに、「身体の関係=責任を取って結婚」が当たり前という、古きよき社会の空気もあった。自然な出会いがちゃんとした恋愛に発展し、それが結婚につながるサイクルができていたんだよね。

恋愛〜セックス〜結婚が、三位一体となって延長線上にあったからこそ……「恋愛したら結婚ができる」という「ロマンティック・ラブ」が成立していたのが、ひと昔前の話。

たしかにこの時代までは、自然な出会いから恋愛をしても、高確率で結婚につながっていたんだと思うよ。

でもね、残念ながら今は違う。

マッチングアプリが、ロマンティック・ラブにトドメを刺した結果、恋愛の先に結婚はなくなってしまったから。

マッチングアプリが、ロマンスを殺した

かつては結婚のきっかけとして大多数を占めていた社内恋愛も、今やセクハラリスクで絶滅寸前。

「彼氏いるの?」と聞くだけで、即・人事部テレフォン案件。

本当のハラスメントを防ぐためには仕方ないことだけど……「セクハラ!」と言われるリスクが大きすぎて、特に男性はコミュニティ内で恋愛に踏み出せなくなった。

結果、人々は「出会い」に飢えるようになっていった。

その代わりに登場したのが、マッチングアプリという名のジェイソン。

最初は「出会い系」として怪しまれていたけど……コロナ禍で出社禁止・合コン禁止・婚活パーティー禁止でいよいよ異性と会えなくなり、一気にマス層に普及。

セクハラリスクもあり、自分のコミュニティ外の相手との出会いを求める流れは、時代の必然だったと思う。

写真=iStock.com/RyanKing999
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/RyanKing999

結果、アプリは爆発的にユーザー数を増やしたけれど、代わりに「出会い」をこの上なく低品質なものにした。

●完全な他人と1スワイプで出会える
●共通の知人ゼロ、素性も知られずにデートできる
●バックレ・ドタキャンは日常茶飯事
●カジュアルで責任の伴わないセックスの蔓延

ヤリモク、メシモク、ドタキャン、フェードアウト……。

みんな一度くらい、そんな経験したり、されたりしたことあるんじゃない?

そう、マッチングアプリという名のジェイソンは、恋愛と結婚をつないでいた“人の目”と“責任”を完全にバラバラにし、恋愛とセックスを気軽な娯楽にしてしまった。

そして、結婚だけが、ポツンと取り残されて孤立するようになった。

■令和の結婚は、自分で戦略的に掴む

アプリは、出会いの数とラブホテルの稼働率を増やすことには貢献したけど、結婚への寄与は実は少ない。アプリが登場した2012年以降も、出会いは増えたにもかかわらず、日本の婚姻数は残念ながら減り続けている。

これが、「恋愛・セックス・結婚」の三位一体が失われたという証明だし、恋愛(セックス)の先に結婚がなくなった理由。出会えれば、恋愛できれば=結婚できるという、いにしえの構造は破綻したってこと。

その結果、結婚に到達する正規ルートが誰にもわからなくなってしまったのが、「結婚したいのに、結婚できない人が量産される」令和婚活の“詰み構造”なんだよね。

だからね、「恋愛すればいつか結婚できる」と、無邪気に信じ続けているのは危険。

ロマンティック・ラブは死んだ。恋愛の先に自動的に結婚が待っている時代は、残念ながらもうおしまい。

ロマンスの死を受け入れてお墓を建てよう。

そして、今ここで意識からアップデートし、あなたがたどるべき結婚への正規ルートを開拓していこう!

令和の結婚は、自分で戦略的に掴むものなのだから。

■「恋愛」と「結婚」は別で考える

あなたたちに頭に入れておいてほしいのは、とにかく恋愛と結婚は別で考えるべきってこと。

こう言うとね、

「え 恋愛するなってこと⁇」

って勘違いされやすいけど、そうじゃない。

「ドキドキするな」とか、「好きじゃない人と結婚しろ」ということではないから安心して!

そうじゃなくて、「彼氏がいたら、いつか結婚できるんだ!」という、お花畑な盲信をやめろってことです。

だってね、これを見てほしい。

恋愛や結婚に関する調査・情報発信を行う「ナレソメ総研」が、男女別に、「結婚願望を抱いたきっかけ」を調査した結果がこちら(図表3)。

出典=『1年で決める! アラサー女の婚活戦略マニュアル』

一見すると、男女共に一番多いのは「自身の出会い・交際」だよね。

つまり「今の彼氏/彼女との関係をきっかけに結婚を考えた」がトップなのは男女で共通していて、恋愛の先には、ちゃんと結婚があるように見える。

だけど、喜ぶのは早いよ。よ〜く見て?

女性:29.5%
男性:17.1%

この差、ヤバくない?

女性は「彼氏ができたら、その男性との将来も考える」、恋愛と結婚がつながったロマンティック・ラブ思考が突出しているのに対して、男性はそこまで「彼女=結婚とは思っていない」。

むしろ、女性に比べて男性側が結婚を意識しやすいタイミングは――

●自分が経済的に安定した
●恋愛に疲れた
●周囲が結婚した
●ふと寂しくなった

勝倉千尋『1年で決める! アラサー女の婚活戦略マニュアル』(実業之日本社)

つまり男性は、

“相手への気持ちの大きさ”じゃなくて、“自分の状況”や“タイミング”が、結婚を意識する決め手になりやすいってこと。

どんなに素敵な彼女だったとしても、“自分のタイミング”が来ないと、男性は結婚を考えにくいという現実があるの。

かの美女である石原さとみ様でさえ、「結婚願望のない相手に、結婚させるのは無理」とインタビューで答えていたように、石原さとみレベルでも、結婚する気のない男に結婚願望を芽生えさせるのは無理なのよ……。

この男女のズレが、恋愛と結婚が地続きであると考えるロマンティック・ラブを信じた女子を地獄に突き落とす、最大の落とし穴です。

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勝倉 千尋(かつくら・ちひろ)
結婚相談所ナレソメ共同創業者・取締役
東京都生まれ。上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。新卒で三菱UFJ銀行にて総合職として勤務。その後独立。現在はナレソメ予備校の塾長として、経営・プランナー業務・学年主任など、あらゆる面から成婚を支える“婚活のプロ”として活動。著書に『1年で決める! アラサー女の婚活戦略マニュアル』(実業之日本社)、『恋愛資本主義社会のためのモテ強戦略論』(実業之日本社)、『狙ったオトコを確実にしとめる オンナ・バリューの高めかた』(大和出版)がある。
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(結婚相談所ナレソメ共同創業者・取締役 勝倉 千尋)