「アイツのせいで漁が…」漁師を悩ませてきた“厄介者”を食べてしまおう!名物バーガー誕生、関あじ・関さばの街で新たな挑戦
関あじ・関さばで知られる大分県佐賀関で、いま漁師たちを悩ませている“厄介者”。いっそのこと食べてしまおう──そんな発想から地域の新たな名物として売り出す取り組みが本格化しています。
【画像をみる】捕獲された110キロの大型サメ シャークバーガーやアクセサリー、革製品
「年々ひどくなっている」
大分市佐賀関にある県漁業協同組合の荷さばき場では、漁師が水揚げした魚の買い取りが行われています。これからの時期は、関さばやブリが旬を迎えますが、漁の妨げになっている“厄介者”がいます。その正体とは「サメ」です。
漁師:
「釣り上げた魚をとるんよ。きょうもやられて、道具がバラバラや。いらない存在よ。年々ひどくなって、アイツがいるばっかりで漁ができない」
佐賀関沖では、釣り上げた魚を狙うサメの被害が増加。これまでは夏場に限られていましたが、この2~3年は12月上旬まで被害が確認されるなど深刻化しています。
県漁業協同組合佐賀関支店 高瀬大輔さん:
「サメは『カマストガリザメ』や『ドタブカ』という種類が漁獲されていて、小型で約30キロ、大型で約120キロになります。被害の期間が長期化していて、釣り道具を引きちぎってしまうので、仕事がしづらい環境になっています」
「いっそのこと食べてしまおう」新たな発想
こうした中、サメを“厄介者”から“資源”へと変える取り組みが始まりました。
現在、若手を中心におよそ10人の漁師がサメの捕獲に乗り出し、県漁協佐賀関支店で今年7月から本格的に買い取りをスタート。関あじ・関さばと同程度の価格で取り引きされ、切り身やフライに加工されてスーパーや弁当店、学校給食などに提供されています。
また、サメの歯はスタッフが手作りのアクセサリーにして販売しています。
県漁業協同組合佐賀関支店 高瀬大輔さん:
「試しに食べてみたところ、かなりおいしかったので、新しい資源としてサメを釣った漁師さんに還元できるような仕組みを作っているところです」
さらに佐賀関の新たな名物を目指し、10月から直売所や道の駅で「シャークバーガー」の販売を開始。高たんぱく、低脂質のサメの白身にトマトベースのソースを合わせ、子どもでも食べやすい味付けに仕上げています。
試食した加賀其記者:
「ぜんぜん臭みがなく、鶏肉のような感じがして非常に食べやすいです」
道の駅スタッフ:
「若い男性がよく買いに来ます。漁師さんの助けになればとてもいいことだと思います」
厄介者ではなく、貴重な資源に
一方、サメの革を使った商品化も進められています。佐伯市の専門店に依頼し、職人歴50年以上の小寺伸一さんが財布や名刺入れなどの試作品を製作。来年の販売開始を目指しています。
革工房CORDFACTORY 小寺伸一さん:
「サメ革は柔らかくて丈夫で扱いやすく、作りやすいです。捨てるところがなく、全部製品にしている点がすばらしいと思います」
県漁協佐賀関支店では、これまでに漁師からサメ100匹・6トン余りを買い取り商品化。今後はイベントなどを通じて認知度アップを図ります。
県漁業協同組合佐賀関支店 高瀬大輔さん:
「サメを厄介者ではなく、貴重な資源として捉えて、大事に釣ってきてもらった物をお金に変えるという形で漁協が支援できればといいなと思っています。サメのすばらしさをみなさんに知ってもらいたいです」
海の厄介者から新たな資源へ。関あじ・関さばに続く新たな”関の名物”を目指した取り組みに期待が高まります。

