厳しい年金生活と家賃で「やっていけない」……67歳が“スキマバイト” 家賃UPで79歳「どんな仕事でも」『every.気になる!』
長引く物価高が、年金生活を直撃しています。家賃の値上がりも追い打ちをかけ、貯金を取り崩して暮らす受給者もいます。街では「節約してやらないと生活は成り立たない」という声が聞かれました。年金支給日などに、厳しい実情を取材しました。
■「もっと上がるんじゃ」…心配も

2か月に一度の年金支給日だった4月15日、東京・新宿区のスーパー「ヨークフーズ新宿富久店」では、60歳以上を対象とした全品10%引きの割引セール「シニアナナコ」(要会員登録、期間中1回限り有効、一部商品除く)を開催していました。
ひと月の年金が約7万円(79)
「少しでも安い方が助かります。今、イランの問題があるでしょう。これ以上にもっと上がるんじゃないかと心配しています」
■節約で…スーパーの月1のセールへ

帝国データバンクによると、4月に値上がりした食品などは2798品目に上ります。
節約のため、月1のセールに必ず来るという女性(83)は「大量買いします。買い置きして冷凍して、1か月は持つように」。一人暮らしで、ひと月の年金は10万円ほどだといいます。
肉や魚などを次々とカゴの中へ入れていきました。合計金額は食材を中心に1万円以上となりましたが、1098円引きで購入できました。「経済的に助かる。年金だけだと足りないですよ」
月の年金受給額が約13万円で、おろしてきたばかりの女性は、 2キロのお米を購入。「10%引きって大きい。高いモノ買おうと思って。いろんなスーパー回るんですけど、各スーパーに安いものがあるんですよ。大変ですよ、あっち行ったりこっち行ったり」と話します。
■「持ち家だとローンがかかる」

「節約しなければ苦しい」という声は街でも聞かれました。年金がひと月6万円ほどの女性(75)に、負担に感じていることを尋ねました。
「定期的に出るのは家賃。ものすごい負担です。(家賃は)都営住宅3万円です。とても(年金)月6万円じゃやっていけない。細かいところでケチをするしかない。持ち家だとローンがかかる。ずっと健康だったらいいけど、そうじゃない時に(払えない)」
■都内に住む高齢者、賃貸が約3割

総務省統計局(2023年住宅・土地統計調査結果を基に算出)によると、都内で暮らす高齢者の3割ほどが賃貸です。
賃貸での年金暮らしの実情を聞きました。妻と2人で賃貸マンションに住み、受給額がひと月約15万円の男性(79)は「先月更新が来た。(更新料)13万円以上とられるからきつい」と嘆きます。
91歳の姉と2人で暮らす女性(83)は、ひと月の年金が約18万円です。一人で家賃を払っているそうで、「家賃は約11万円。東京は家賃が高いからね、どこに行っても。年金じゃ暮らせないです」と言います。
■貯金を取り崩して生活する日々

支給日に出会った田中さん(79)。年金額は、ふた月で約9万5000円です。6年前に夫を亡くし、今は23区内の6畳一間で一人暮らし。その家賃が値上げされたといいます。
「去年、更新の時に3000円上がって5万6000円になった。負担に感じるなんてもんじゃない」。年金で賄えない分は貯金を取り崩して生活する日々です。
「働けるなら働きたいよ。たとえどんな仕事でもね」日常生活に問題はないものの足腰が弱く、働くことは難しいといいます。そのため、地道に食費を節約しています。「安いところ何軒かあたって、冷凍できるものは冷凍して」
それでも支給日のランチは、贅沢(ぜいたく)に。野菜と卵も使ったサンドイッチです。「こんなもんでしょ」と女性は笑います。
■週2の仕事だけでは生活費が足りず

家賃を払うため働き続ける人もいます。ひと月の年金が約5万円の67歳は「仕事で来たんですよ。スキマバイトです」。スマートフォンの画面には「4250円」とあります。「今日は3時間しか働けないので」と女性は話します。
年金は月5万円ほど。週2日のスーパーの仕事だけでは生活費が足りず、スキマバイトもしているそう。「家賃は6万3000円です。生活がやっていけないので、働かなければいけないんですよね。安い家賃のところに住みたいのはあるんですけど」
■マンションの家賃が働く理由に

マンション管理の仕事をする宗田さん(71)も「家賃が大きな割合になります。それをカバーしないといけないのが、働いている理由になります」と言います。
年金とは別に、週4日ほど働いた月の収入は約15万円です。「体力はある程度必要ですね」。夫婦で暮らすマンションの家賃は約9万円。年金生活を少しでも豊かにするため、あと10年は働きたいと話します。
「仕事を辞めたときの不安はもちろんあります。動けるうちは動いて、蓄えをしておきたい」
(4月20日『news every.』より)