「障がいがあるというだけで“怖い”と決めつけられてしまう」ダウン症児が身近にいた二人が問う「ふつう」と「障がい」の境界線――椎木里佳×こだま
こだま:「働いていない」「稼いでいない」ということだけで、自立していないと人を追い込んでしまうのはよくないですね。
椎木:その点、けんちゃんは自由にのびのびと生きているという意味では、立派に「自立」していると思う。障がいをテーマにした物語は、当事者や当事者家族の体験談などのノンフィクションが多いからこそ、こだまさんのように周囲の温かい目線から描かれたフィクションの存在はすごく新鮮でした。
椎木:当事者家族にとっても、温かいサポートを受けたような気がして純粋に嬉しかったです。こういう作品が増えてほしいと思いますね。
【椎木里佳】
1997年、東京都生まれ。中学3年生で株式会社AMFを創業。「JCJK調査隊」によるマーケティング調査や「JCJK流行語大賞」の発表など、Z世代マーケティングの先駆者として話題に。プライベートでは一児の母。こども家庭庁審議会委員を務めるなど、女性のキャリアと選択肢を広げる取り組みにも力を入れている。
【こだま】
作家。デビュー作となる私小説『夫のちんぽが入らない』(扶桑社)が、Netflix・FODでドラマ化されるなど大きな反響を呼ぶ。また、エッセイ集『ここは、おしまいの地』(太田出版)は、第34回講談社エッセイ賞を受賞した。本作『けんちゃん』が著者初の創作小説となる。
<取材・文/福田フクスケ 撮影/杉原洋平>

