高齢者ドライバーの「補償運転」って何?高齢者による事故を防ぐ試みとは
免許返納の前に試す運転方法
高齢者ドライバーによって第一当事者の交通死亡事故がニュースになることが多くなりました。
その影響か、免許返納が取り沙汰される近年、一部の高齢運転者からは生活の移動手段ということもありなかなか返納に踏ん切りがつかない高齢運転者もいます。
そんな中、65歳以上の高齢者が第一当事者になった交通死亡事故が全体の約4割を占める鹿児島県奄美群島では、免許返納に踏み切れない高齢者に対して「補償運転」を推奨しています。
免許を自主返納した9割以上の人が高齢者であった鹿児島県で推奨されている補償運転とはどういうものなのでしょうか。
鹿児島県が推奨する補償運転とは?
鹿児島県奄美群島で、2022年1~6月までの期間で免許を自主返納した132人のうち、9割以上が65歳以上の高齢者になっています。
移動手段の基盤となっている運転に対して、免許を返納することに戸惑いを覚える高齢者には補償運転を推奨しています。
「穏やかにペースを守る」「夜間の運転を控える」「通いなれた道を走る」など、加齢によって起こる運転技能の低下を補うため、自分自身の体調や天候、道路状況を考えて安全運転ができるように呼びかけています。
しかし、呼びかけるだけでは事故防止にも限界があるのも事実です。そこで奄美群島内4署では補償運転を呼びかけるだけでなく、免許を自主返納した高齢者には社会的保証を設けるなど、自主返納しても生活の基盤が崩れないよう取り組まれているのです。
免許返納後の生活支援
サポートカーの体験教室開催、ドライブレコーダーの無料貸出に、認知症を理由に自主返納した高齢者が希望する場合には自治体と連携し生活支援を受けられる体制を整えるなどしています。
また、免許返納をした高齢者には運転免許自主返納カード、県公安委員会が発行している有料の運転免許経歴証明書を申請し、発行を受けることでバスやタクシーなど公共交通機関や商店など協賛している事業所の料金割引を受けられる支援制度も整っていることから車がなくて移動が思うようにできないといった問題も対策されているようです。
免許を返納したことで生活ができなくなってしまうことがないよう、支援制度を整えることで高齢者の免許返納を促しています。
みんなが安心できる車社会へ
「まだ大丈夫」と思っていても心身の衰えは自分で自覚しにくいものです。
少しでも信号への反応が遅れる、歩行者に気づけないなど運転中の「ヒヤッと」が増えてきたら高齢とされない年齢であっても補償運転を頭の片隅に入れることで事故防止に繋がるのではないでしょうか。
来る免許返納に備えて、自分の住んでいる自治体でとういった取り組みが行われているのかを知っておくことも不安を抱くことなく自主返納へ踏み切れるきっかけになるかもしれません。
